07年北九州市長選で、北橋健治市長は福祉と子育ての重視を掲げた。昨年12月に策定された市の長期計画「元気発進! 北九州」プランも「質の高い暮らし」の提供をうたい、それらの充実を方針としている。
09年度予算案にある市独自の福祉事業の一つは介護分野での人材確保だ。市は介護福祉士などの資格を持ちながら働いていない人を対象に研修会を開き、福祉現場への再就職を進める。必要経費として418万円を計上した。
孤独死問題を契機に、07年から運用見直し中の生活保護は、不況の影響もあって受給者数が増え続けている。そうした現実に対応しようと、前年度比32億9500万円増の355億5500万円を用意した。また、自殺者3万人時代を踏まえ、自殺者の遺族の心のケアなどのために100万円を費やす。
子育て関連では、希望する児童全員を放課後児童クラブで段階的に受け入れるため、16億3290万円をかける。また児童養護施設に入る幼児の幼稚園入園などのために2550万円、児童虐待防止の啓発活動に1880万円をそれぞれ計上した。【平元英治】=おわり
〔北九州版〕
毎日新聞 2009年2月22日 地方版