女のココロとカラダを知り尽くす“なでしこ”たち
産婦人科医の不足が叫ばれて久しい昨今。特に女性にとっては人ごとではありません。だけどちょっと待って? 産婦人科に頼らなくても出産できる方法ってあるんじゃない? …ということで今回は「助産師さん」の仕事に密着しました。
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生まれたばかりの赤ちゃん。体温を下げないように、素早く柔らかい布でくるみます。
「オアァァアア、オアァァアア」。1月23日。この日、助産院に一つの生命が誕生しました。約3400グラムの元気な男の子! とりあげたのは助産師の鈴木先生。「よく頑張ったね!」とお母さんに声を掛けます。
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心音や肺の音にノイズが混じっていないかを確認。
生まれてすぐお母さんの胸に抱っこされる赤ちゃん。先生はお母さんの後産(おなかから胎盤を出すこと)の処置や出血状態を確認します。その間に羊水でぬれた体をきれいにふいてもらった赤ちゃんは、先生に聴診器を当てられ心音や肺の音を確認されます。「はい、異状なし!」。診断が済んだ赤ちゃんは、母乳を飲むために再びお母さんのもとへ。
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出産後、お母さんの子宮の状態をチェック。子宮が収縮しないと出血が続いてしまう場合があるからなんです。
助産師が単独で赤ちゃんをとりあげる場合、医療行為が必要ない正常分娩(ぶんべん)にしか携わりません。とはいえ出産は母子の命にかかわること。出血は続いていないか? 体温や血圧に異常はないか? 母体が安定する産後2時間までは、先生の周囲に緊張した空気が漂います。