神々は記憶の海に沈む

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[神々は記憶の海に沈む/汎神族]

written by & copyrighted to: 志麻ケイイチ / [時無草紙]
introduction by the Author:志麻ケイイチ
記憶を遺伝する神々、汎神族。彼らの種族の病い「記憶溢れ」から種を守ろうとする幾柱もの神と、その実験体として生きる人間たちの物語です。私たち人間が、この世界の霊長であることを疑うものではありません。

でも私たちの宗教は肉体を持つ超越者の存在を想定していません。それは当然。そんな存在を私たちは知らないのですから。
では生物としての霊長類が他にいる世界の人間は、なにを考えて生きるのでしょう? そして超越者としての種を身近に持つ人間にとって、宗教とはいかなるものなのでしょう?

人間はどうして超越者たる汎神族に抗いがたいのか? 劣等感から? 恐怖から? 尊敬? もっと本能に根ざしたなにか?
気の遠くなる歴史の中で、ともに進化してきた同じ世界の種同士が、絶対的な知性の差の中で触れ合うために必要な資質とはなんなのだろう? 私自身が興味つきません。

私の想像力がどの程度のものなのか。
ブチ切れる手前のイマジネーションを美しく描き出せたら最高です。
「汎神族」で言うところの魔法の呪文・法呪文で言うとこんな感じ。
「言の法往く燦然と、誉める理(ことわり)巡りめぐらん。典学応じて音楽奏し、色音界位に満彩す」
YK(梶浦)読後の一言
「世界観」という言葉が、ファンタジーやSFやらを書く方々の間にはやたらに飛び交います。自らが創造主になって自分だけの世界を築き上げたいという欲望からこのジャンルに飛び込む方も多いのか。その一方、「この世界観は本当にすごい」という作品にはなかなかお目にかかれない。

世界観ってのは、当然ながら物語の背景です。カキワリです。小説で本来大切なのは物語の全貌であって、カキワリだけでは物語にはならない。自分の語る物語にどんな背景を好んで使うか、選ぶかは、作者さんの選択、作者さんの技量。ハンパなカキワリを自作するなら、いっそ劇場仕様のありがちなカキワリを使ってしまった方が良い場合だってあると思える。

「汎神族」シリーズに志麻さんが使われているカキワリは、志麻さん独自のもの。オリジナリティーってこういうこと。まさに、「この世界観は本当にすごい」と恐れ入って呟くしかない。でも、この物語の素晴らしさはそれだけではないの。

「汎神族」は生きている。生き続けようと願い、争い、焦り、愛し、戦っている。性格が読めないように見えて、実は個性に溢れたキャラクターの神々。それから人間。乱暴で明るくて我が儘で優しくて残酷で、キラキラ光る「人間」のラブドエリス。彼等が生きる為には、この物語を紡ぐには、この世界がどうしても必要だったのだと。この世界観があって、このストーリーがあって、この生き物たちがいて、初めて生まれてくる「物語」だったのだなあと。そのバランス感覚と必然性とに脱帽。
文字を追う内、読み手は汎神族の海に沈む。

とりあえず曲を聴いて頂くのが、YK読後感を一番伝えられると思います。ささ、どうぞ。
作者様から頂いた曲に対する御感想
すごいです。YKさん。
大感動です! あらゆるストレスがブッ飛びました。
なんてすばらしい才能でしょう。
もお、音楽センスのかけらもない私が漠然と描いていた汎神族のイメージにずばり合致です。

過分なお褒めの言葉をいただいた上に、このようなものすごい音楽をいただきまして、なんとお礼の言葉を言って良いかわかりません。いままでの人生の中でトップテンに入るほどのうれしさ。妻との結婚なみにうれしい出来事でした。

エスニックでいて力強い。鈴の音と人の声が交差する不思議なリズム。
動物の声が生命力あふれるファンタジー世界を描き出しています。
世界のどこかで力が動く。
野蛮な力、見えない力
湧き起こる命が言葉となって、無限の法呪をつむぎ出す。
虚空を叩き、はじける祈りが交差する。
世界が己の手にあるかのように振舞う生き物たちの舞い。
種を守る本能こそ正義の名にふさわしい。
それと知ってか知らずにか、魂の命ずるままに戦う生き物たち。

汎神族の世界にさらなるイマジネーションが広がりました。
命の有り様、種の尊さ。
世界の運命よりも種の保存を考えるわがままな彼らに、この音楽のすばらしさを反映できるよう、私はがんばります。
ほんとうにありがとうございました。
汎神族
illustrated by : 志麻ケイイチ
イラストは時無草紙から
お借りしたものです
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[memories.mp3]

3.3MB (3:33min)
Mpeg 1 Layer III
Stereo 128kbs

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