広島市で開かれている日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会で22日、小学校での英語授業について「楽しくなかった」「役に立っていない」などと否定的に考えている中学生が多数を占めるというアンケート結果が報告された。
小学5、6年生の外国語活動が必修になる新学習指導要領は11年度から全面実施だが、09年度から多くの小学校で英語授業が実質的にスタートする。
この日は、ほとんどの生徒が小学1年から英語授業を受けている東京都目黒区立中学校の女性教諭(60)が今秋、1~3年生計168人(全生徒の約8割)に実施したアンケート結果を報告した。
「あまり楽しくなかった」「楽しくなかった」との回答は87人で半数を超え「とても楽しかった」「楽しかった」の81人を上回った。楽しくなかった理由は「意味も分からず発音していた」「生徒が盛り上がらず先生だけハイテンションだった」などだった。また「(中学で)あまり役に立っていない」という回答は70人で全体の4割を上回った。「全く役に立っていない」が38人。「少し役に立っている」が51人だった。
神奈川県内のある市立小学校の男性教諭(48)は競技名など五輪にちなんだ言葉を中国語で書いたカードを示し、英語で答えさせる実践例などを報告。市内から抽出した児童約150人のアンケートで96%が英語授業を「楽しい」と答えていると発表した。
出席した教諭からは「なぜ嫌いになるのか、教え方のどこが悪かったのかなどを検証する必要がある」「自治体の姿勢で教育の中身が変わる。自治体は人や時間など最低限の条件整備をすべきだ」などの意見が出た。【加藤隆寛】
毎日新聞 2009年2月22日 20時31分