日本教職員組合(日教組)の第58次教育研究全国集会が21日、広島市で3日間の日程で始まった。同市中区の広島国際会議場で開かれた全体集会には約3500人が参加。あいさつした中村譲委員長は「点数と順位のみに関心を寄せ、上へ上へと子どもたちをあおりたてる。子どもたちに学力も体力もつけろと強迫的に迫れば、自己肯定感が持てなくなる」と述べ、学力と体力の全国調査をめぐる風潮を批判した。
全体集会は、昨年は予定していた東京都内のホテルに使用を拒まれて開けなかったため、2年ぶり。中村委員長は「7人に1人の子どもが就学困難な貧困層にいる」と指摘し、「住民や保護者、教職員、教育行政、政治などが子どもと教育に正面から向きあい、対話を重ねよう」と呼びかけた。
期間中は、「教育格差と学力保障」をテーマにした特別分科会をはじめ26の分科会で、計760件以上の教育実践などが報告される。