新幹線に飛び込み、バウンドし屋根に着地

　ＪＲ新大阪駅構内で２１日、ホームに入線してきた新幹線にダイブした男性が奇跡的に助かった。

　淀川署などによると、同日午前１０時１５分ごろ、２１番ホームに入ってきた新大阪発博多行きの新幹線ひかり４５７号（レールスター）に男性が飛び込んだ。男性の体はレールスターの丸みを帯びた先頭部と接触。巻き込まれる…。しかし次の瞬間“奇跡”が起こった。

　男性の体は運転席あたりで２度、大きくバウンドし、先頭車両の屋根に“着地”した。屋根の上で横たわる男性。当時、ホームには数百人の乗客らがおり、騒然となった。約２０人の駅員らが駆けつけ、救出作業がスタート。駅員数人が脚立を使い、屋根へ。救出までの約１０分間、男性は屋根の上で時折、立ち上がっていたという。救出の際には、なぜか男性は激しく抵抗した。ＪＲ東海によると、新幹線は車庫から低速でホームに向かっていたという。

　淀川署によると、男性は鹿児島県加治木町の会社員（２２）。全身を強く打ち、近くの病院に運ばれたが、命に別条はなく、２２日にも退院する予定という。目撃者によると、レールスターが入線してくるとき男性は飛び込むタイミングを計っていたようだという。同署は、自殺を図ったとみて事情を聴いている。

　事故の影響で新幹線の上下線計３４本に最大３９分の遅れが発生、約３万人に影響が出た。同署は「偶然が重なり、命が助かったのでしょう」と話している。

　［2009年2月22日10時43分　紙面から］