会見する川田清弥医師(左)と松本祐蔵院長=20日午後9時28分、高松市の香川県庁、小林一茂撮影
うつむき加減に言葉を選びながら会見する川田清弥医師=20日午後9時45分、高松市の香川県庁、小林一茂撮影
香川県立中央病院(高松市)で不妊治療を受けた20代女性に別の患者の受精卵を移植した可能性があり人工中絶した問題で、担当した川田清弥医師(61)が20日夜、同市の県庁で記者会見し、体外受精について「ダブルチェックの態勢をとらず、私1人でやっていた」と明かした。受精卵を取り違えた原因として、「原則を守らず、最初の検体を片づけずに、同じクリーンベンチ(作業台)で次の人の検体の作業をした」と説明した。
会見は午後9時に始まり、同病院の松本祐蔵院長が同席した。川田医師は会見の冒頭、「患者や家族の皆さんに心よりおわび申し上げます」と謝罪。取り違えた可能性に気付いた状況について、「(被害女性が)妊娠した時、あまりに胚(はい)がどんどん成熟するので、これまでの女性の診察の経験から『間違えたのでは』とがくぜんとした」と述べた。
また、このまま黙っていようと心の中に葛藤(かっとう)があったと認め、「(隠蔽(いんぺい)は)人間として許されないと考えた」と述べた。