幻惑「実車」点灯タクシー 「空車」との識別困難
運転席前部の表示はこれまで赤色の「空車」のほか、オレンジや緑の「予約」「割増」などがあり、乗車すれば空車ランプが消えて暗くなった。 ところが、東北運輸局が昨年3月、管内タクシーの表示方式を統一する目的で「実車」も表示するよう通達を出した。切り替えは車両更新時で一斉ではないが、仙台市内では登録する約3500台の半分近くが、発光ダイオード式の電光タイプへ交換したとみられる。 新タイプは光色が増して見やすいが、空車が赤、実車(一部は賃走)はオレンジと色が似ている。夜間は屋根の灯火の点・消灯で示しているものの、フロントのランプがついているだけで空車と勘違いする市民が少なくない。 青葉区の自営業の男性(60)は「つい手を挙げてしまう。前より分かりづらい」と話す。 運転手からは「変更を知らない人が多い」「乗車拒否と間違われ、社のイメージが下がる」と評判はいまひとつ。「酔客が空車と勘違いし、道路に飛び出してきて危ない」との指摘もある。 ある大手の会社は、昨年12月から全200台への導入に踏み切った。 一方、別の会社は120台のうち、更新を済ませたのは1割。「一機当たり3万5000円もするので急いで導入するつもりはない」(幹部)という。 東北運輸局旅客第二課は「実車のときは緑色にして判別しやすいようにするなど、弾力的な運用は可能だ。変更に掛かる新たな負担などを考慮し、必要なら見直しも検討したい」と話している。
2009年02月21日土曜日
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