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KTX欠陥工事:枕木製造業者へ便宜供与か

 韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間である大邱‐釜山間のレール敷設工事で、コンクリート製の枕木に亀裂が入っていることが判明した問題で、枕木を製造した業者に対し、当初から便宜が図られていたという疑惑が浮上した。

 枕木の製造業者が17日に明らかにしたところによると、KTXの第2期工事の施工者である韓国鉄道施設公団は、2004年12月に軌道の設計業務の入札を行った際、ドイツの「レールワン」社が特許を取得した「レーダー2000」という工法を採択することをあらかじめ決めていた。また、枕木の仕様書には「“レーダー2000”工法に適合した枕木を生産できる技術を有しているか、あるいは納品した実績がある業者」が、「レールワン社から技術の移転を受け、枕木を製造できる施設を設け、製造に当たること」という条件が示されていたという。

 このため、大邱から蔚山までの131キロ(上下線の合計)の区間(第4工区)の施工は、公開入札を通じて「サムピョE&C」社が担当することになったが、枕木の生産はすでに、レールワン社が約5000万ウォン(現在のレートで約316万円、以下同じ)=持ち分の55%=を出資して設立した「チョノン・レールワン」社が行うことが決まっていたというわけだ。

 枕木の単価は当時、1本当たり8万5000ウォン(約5400円)台、合計で約175億ウォン(約11億400万円)、利益率は15‐20%程度とされていた。

 こうした疑惑は、06年の国政監査の際にも指摘されていたが、鉄道施設公団は「便宜を図ったものではない」と主張していた。

 枕木の製造業者の関係者は「事実上、あらかじめ業者を選定していたことになる。生産設備などに数十億ウォンを投資し、数年間にわたって準備を行ってきた韓国国内の枕木生産業者4‐5社は不利益を被った」と話している。

大邱=チェ・ジェフン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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