ろれつが回らない状態で記者会見して引責辞任した中川昭一前財務・金融担当相。先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議後の会見とあって外国メディアも素早く反応した▼中でも秀逸だったのは、米ABCテレビの記者ブログ。会見の地・イタリアにひっかけて「目覚まし」としてエスプレッソを薦めていた。主に米国で盛んな政治ジョークでは、ロシア人(ウオツカ)やドイツ人(ビール)を「酔っぱらい」として描くのが定番らしいが、「sake」が国際語になりつつある時代。日本人もうかうかしていられない▼一方、「風邪薬を多めに飲んだ」とする中川氏の釈明を受け、日本の新聞では薬にまつわる専門家の見解などが紹介された。国務大臣が恥をさらしたのだから、笑っている場合ではないのかもしれないが、あの会見の映像を見て薬の作用だと信じた人がどれだけいただろうか。日本人の定番キャラはやはり「きまじめ」なのか。【山下修毅】
毎日新聞 2009年2月21日 地方版