中川前財務大臣が問題の記者会見の直後に行ったバチカン観光について、同行していた駐バチカン日本大使がJNNの取材に当時の状況を語りました。
「大臣は非常に熱心に見学していた」、同行したバチカン大使は問題のバチカン観光の印象をこう述べました。
「(中川前財務相は)確かに若干くたびれているという感じは見受けられた。特に酒のにおいがするという感じは私は持ちませんでした」(駐バチカン 上野景文 大使)
駐バチカンの上野景文大使は、問題のバチカン観光に、1時間半にわたって同行しました。バチカン観光の話は4〜5日前に要請があり、バチカン側と調整したといいます。
そして、観光当日、中川前大臣は触れることが禁じられている貴重な美術品を素手で触ったり、彫像の台座に座り込むなどの異常な行動をとり、警報機が鳴る騒ぎになりました。
「熱意のあまりだと思いますが、少し接近しすぎたということだと思います。(Q.アンタッチャブルなものに触ってしまった?)それはあったと思います」(上野景文 大使)
法王選びの際に行われる「コンクラーベ」と呼ばれる儀式のことなどを詳しく聞いていたという中川前大臣。歴史や美術に関心があるところを見せたかと思うと、その一方で、ガイドの話を聞かず、勝手に別の場所に行こうとしたこともあったといいます。
「そういうこと(単独行動)は数回あった気がします。大臣の見たいものもあるが、バチカンの見せたいものもあり、その調整が必要になります」(上野景文 大使)
バチカン側からの抗議は今のところはないということですが、次々と明らかになる中川前大臣の問題行動にさらに批判が集まりそうです。(21日21:27)