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KTX欠陥工事:時速300キロ、大惨事の恐れも(中)

コンクリート製の枕木に亀裂発見

◆枕木約15万本をすべて補強

 枕木の設計はドイツの「レールワン」社が、製造・販売は同社と韓国企業の合弁で設立された「チョノン・レールワン」社が、設置工事はイギリスのパンドロール社の韓国法人「パンドロール・コリア」社が、軌道の敷設は「サムピョE&C」社が、現場監理は韓国鉄道技術公社がそれぞれ担当した。

 鉄道施設公団は、枕木の全数調査を開始した直後の先月29日、高速鉄道技術処、品質環境処(ともに省庁の一つ)の関係者と、チョノン・レールワン、サムピョE&C、韓国鉄道技術公社による対策会議を開いた。会議の結果、亀裂が発生した原因は、コンクリート製の枕木に取り付けられた、枕木を固定する「締結装置」であるフックボルトの欠陥によるものとの暫定的な結論を下した。同公団嶺南本部レール課のイ・ドンホ課長は「フックボルトに雨水などがしみ込み、その水が気温の低下で凍ることにより、部品の体積が膨張し、周囲のコンクリートに食い込んだため、枕木に亀裂が入ったようだ」と説明した。なお、同公団は今月4日まで、ほかの約15万本の枕木についても、亀裂が入っていないかどうかを確認する全数調査を行った結果、新たな亀裂は見つからなかった、と発表した。

 だが、本紙の取材で、今回亀裂が見つかった枕木に取り付けられたフックボルトは、設計図とは異なる部材が使われていたことが明らかになった。

 鉄道施設公団によると、枕木の設計図では、フックボルトの中に水がしみ込むのを防ぐため、潤滑油や発泡スチロールなど防水性のある充填材を注入することになっているが、今回亀裂が見つかった枕木に使われたフックボルトには、逆に水を吸い込む充填材が使われていたのだ。同公団は現在のところ、このように設計図とは違う部材が使われた枕木が何本あるかについては明らかにしていない。

 同公団は残る約15万本の枕木について、防水などの機能を持つ圧縮用潤滑油を注入するといった対策を検討しているとされているが、亀裂が見つかった枕木については、亀裂が見つかった部分だけを補修あるいは交換するといった措置を検討している。

 同公団嶺南本部レール課のイ課長は、「設計図とは違う部材が使われた枕木が何本あるかはまだ明らかになっていない。現在、工事の過程について全般的な調査を行っているが、今後のスケジュールに支障が出ないよう努めたい」と話している。同公団は今月中に、ドイツのレールワン社の関係者を呼んで、対策について話し合うとしている。

大邱=パク・ウォンス記者

永川(慶尚北道)=チェ・スホ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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