【ロサンゼルス吉富裕倫】米自治領サイパンからロサンゼルスへ身柄を移送された直後に死亡した輸入雑貨販売会社の三浦和義元社長(当時61歳)について、米捜査当局が妻一美さん殺害の共謀とは別に、交際相手だった白石千鶴子さん殺人事件で訴追、再逮捕する方針を固めていたことが分かった。三浦元社長の死亡から3カ月となる10日(日本時間11日)を前に、元捜査担当者が証言した。
三浦元社長は、81年にロス市内で当時の妻一美さんを銃撃させ殺害した共謀容疑などで、昨年2月にサイパンで逮捕された。身柄を移送された昨年10月10日夜、ロス市警の留置場で死亡した。ロス郡検視局は、首つり自殺と断定した。
ロス市警と郡検事局は、79年にロサンゼルス近郊で腐乱死体が発見された白石さん殺人事件も、ロス銃撃事件の関連事件として捜査。元捜査担当者によると、三浦元社長が死亡する直前の段階で、死刑求刑が可能な第1級殺人と窃盗容疑で近く逮捕状を請求する方針を固め、捜査トップにも報告していた。
DNA鑑定などの新証拠が出たわけではなく、白石さんの口座から現金426万円を引き出したことなど状況証拠によるという。ただ、仮に訴追されたとしても裁判所が正式に起訴を認めたかどうかは分からない。
ロス市警の事件主任、リック・ジャクソン刑事は毎日新聞の取材に「白石さん事件の捜査はしていたが、訴追についてはコメントできない」と話した。
毎日新聞 2009年1月11日 2時30分(最終更新 1月11日 2時30分)