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ソウル女性誘拐:奪った模造紙幣でバイク購入

 今月10日にソウル市江西区内鉢山洞の住宅街で30代の菓子店女性経営者を誘拐し、警察が準備した捜査用模造紙幣7000万ウォン分(約446万円)を奪って逃走した容疑者1人が、模造紙幣の一部を使っていたことが17日までに分かった。

 ソウル江南署によると、今回の事件に関与した無職、チョン・スンヒ容疑者(32)は17日午後6時半ごろ、江南区三成洞でインターネットの直接売買サイトで知り合った男性(31)と会い、1万ウォンの模造紙幣700枚を手渡し、男性の中古バイク(排気量250cc)を購入したという。

 警察の事情聴取によれば、男性がバイクを売りたいとインターネットに書き込みをしたところ、容疑者から電話がかかってきたという。男性は「容疑者から受け取った100万ウォン紙幣の札束7個を確認したところ、番号が全て同じだったため、偽造紙幣だと分かった」と話した。警察は通報を受けて急行したが、容疑者逮捕には至らなかった。

 警察は身代金を要求する誘拐事件を解決するため、2005年に捜査用模造紙幣を初めて作成し、実際に容疑者に模造紙幣が渡ったのは今回が初めてだ。警察は模造紙幣が容疑者の手に渡ったにもかかわらず、容疑者を現場で確保することに失敗し、模造紙幣が流通した場合の対策も全く講じていなかった。チョン容疑者が逃亡中に模造紙幣を追加しようした場合、被害の拡大が懸念される。

 警察が作成した捜査用模造紙幣は番号が全て「EC1195348A」で、本物よりも約1ミリ小さい。また、表の銀色のホログラムが本物よりも多少濃い灰色をしている。肉眼では本物との区別が困難だ。

イ・ソクホ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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