【社説】3カ月で1500ウォンに逆戻りした為替相場
ウォンの対ドル相場が1ドル=1506ウォンまで下落し、昨年11月24日以降3カ月ぶりに再び1500ウォンを割り込んだ。米国、日本、中国と結んだ通貨スワップ協定と経常黒字、政府の為替市場介入で昨年末に1250ウォンまで上昇したウォン相場が再び原点に戻った格好だ。ウォン相場は今月10日から9営業日で125ウォンも下落した。
ウォン安の直接的な原因は、国際金融市場で最近、東欧諸国がデフォルト(債務不履行)に陥るのではないかとの懸念が高まっていることにある。1兆7000億ドル(約159兆円)の対外債務を抱える東欧国家が破たんすれば、最大の債権者である西欧の銀行も崩壊し、第二の金融危機に発展する可能性がある。このため、欧州系銀行を中心に世界的なドル買いが起きている。
韓国株式市場でも外国人が9営業日で合計1兆5000億ウォン(約950億円)以上の株式を売り払い、ウォン相場を押し下げた。さらに今年に入り、経常収支が再び赤字に転落し、日本の銀行と企業の3月決算を控え、日本系の資金が引き揚げられるといういわゆる「3月危機説」が広がっていることも、為替不安を増幅させている。
しかし、こうした点を考慮しても、最近のウォン安は行き過ぎている面がある。ウォンの価値は年初来17%下落した。ポーランド、ハンガリーなど最近問題視されている国の通貨より弱含んでいる。韓国の外国為替市場が小さな衝撃にも揺らぎやすく、相場が大きく振れてしまうという問題点が再び浮き彫りとなった。
国際金融市場の不安とドル高に対し、われわれができることは特にない。ウォン安が進んでもそれを受け入れるしかないのが現状だ。しかし、理由なきウォン安を緩和しようという努力はあってしかるべきだ。為替市場に不用意に介入するよりも、政府が経済・金融状況を的確に把握しており、なすべきことをなし、いつでも必要な措置を取る準備ができているという信頼感を与えることのほうが重要だ。銀行資本の拡充と企業のリストラも現在よりスピードアップし、韓国内部の不安要因を解消していかなければならない。
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