ユーロ圏、加盟国間の支援方法について検討開始

2009年 02月 21日 11:59 JST
 
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 [ベルリン 20日 ロイター] ユーロ圏内で経済力の強い加盟国が弱い国を支援する手段を検討する動きが出ている。ユーロ導入以来始めてとなる。

 ドイツのシュタインマイヤー外相は20日、支援方法について検討が始まったことを明らかにした。

 同相はスロベニアの外相との会談後「特にドイツなどの経済は、明らかに大きな打撃を受けていない近隣の国や市場に依存している」と指摘。「それがユーロ圏内の経済的に強い国を通じてどの程度の支援が可能かについて検討プロセスが始まった理由だ」と説明した。

 ただ、このプロセスは始まったばかりで、どの程度の対策になるかは分からないことから、具体策を示すのは時期尚早とした。

 ユーログループ議長を務めるルクセンブルクのユンケル首相兼財務相は20日、深刻な資金調達問題に直面しているユーロ加盟国はないとの見解を示した。

 その一方で、資金調達危機が発生した場合にユーロ圏諸国が国際通貨基金(IMF)に支援を要請することを余儀なくされる事態は避けるべきだと指摘。「ユーロ加盟国がユーロ圏内で支援が受けられず、国際機関に頼らざるを得なくなる状況は受け入れがたい」と述べた。その上で、加盟国間で融資を行うという同議長の構想がドイツの支持を得られつつあることを示唆した。

 20日付の独シュピーゲル誌は、深刻な金融危機に直面している一部のユーロ圏加盟国を救済する手段についてドイツ政府が検討していると伝えた。

 同誌によると、ドイツ財務省が検討している選択肢の一つは、支援が必要な国に代わって信用力のある国が「二国間債券」を発行するというもの。もう一つの選択肢は財政力のある国による「共同債券」の発行で、さらにEU独自の支援策、あるいはEUが国際通貨基金(IMF)と協力して支援する策も検討されているという。

 この問題に関しドイツ財務省は20日、「シュピーゲル誌の報道は事実でない。財務省はそのような考え方はしていない」と否定する声明を発表した。

 別の可能性としてユーロ圏全体が保証する債券の発行も浮上しているが、ユーロ圏関係者の話ではドイツが強く反対しているほか、他の一部の国も関心を示していないという。

 
 
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