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東欧発の「為替台風」、韓国を直撃(下)

ウォンの対ドル相場、再び1500ウォン割れ

◆弱まった体力

 ウォンの価値は金融危機説がささやかれる東欧国家を上回る行き過ぎた下落を示した。1月末に比べ、東欧各国の通貨価値はハンガリーが3.6%、チェコが5.3%、ポーランドが8.6%下落したが、ウォンの下落幅は8.4%に達した。

 外的要因だけでなく、国内的な要因も重なったためだ。輸出が急減し、今後ドル資金が十分に入ってこなくなるという懸念が高まった上、ウリ銀行によるコールオプション放棄が外国為替市場の悪材料として作用したとの見方だ。ウリ銀行は2004年に発行した4億ドル規模の外貨建て劣後債の繰り延べ償還を取りやめた。外貨建て劣後債は通常10年物だが、ちょうど半分の5年が経過した時点でコールオプションを行使し、早期償還するのが慣行となっていた。

 モルガン・スタンレーは「韓国で業界2位の銀行が十分な資金力を持っていないとみられる恐れがあり、今回の決定は今後海外での資金調達条件をさらに悪化させる可能性がある」と指摘した。

◆1500ウォンで食い止め可能か

 専門家の為替相場に対する見方は明るくない。LG経済研究院のペ・ミングン専任研究員は「昨年10-12月期ほど為替市場が大きく動揺はしないが、既に1500ウォンを割り込んだ以上、当分は不安定な相場になる」と分析した。

 ただ、相場が1600ウォンを目指すのか、1550ウォンのラインで歯止めがかかるのかについては意見が分かれた。北朝鮮のミサイル発射懸念が高まれば、ウォン相場は短期的に1600ウォンまで下落するとの観測もある。

 一方、為替当局が積極的に市場介入するとの観測も出ている。尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)企画財政部長官は19日、国会企画財政委員会での業務報告で、「(ウォン安を)そのまま放置はしない」と口先介入した。李成太(イ・ソンテ)韓国銀行総裁も「現在の為替水準は(ドルが)高い」と発言した。

 グッドモーニング新韓証券のアナリスト、キム・ジュンヒョン氏は「行き過ぎたウォン安が政府の積極的な介入なしに安定するのは難しい」と見通した。

姜京希(カン・ギョンヒ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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