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京都・木津川の重度障害児、市立小入学へ 1万人超の署名結実 (2/2ページ)
だが、統唯君は平成19年4月から、近くの市立木津幼稚園に、園児との交流という形で週1〜2回通っており、同世代の友だちとふれあいを深めてきた。園児との交流を楽しむ統唯君の様子が両親に小学校入学を決断させた。
幼稚園に入ったとたん、統唯君の顔は柔らかい表情になる。「ジェットコースターや」。統唯君が座っている座位保持いすをほかの子供たちが回すと、統唯君の顔が輝く。たんがのどに詰まる音に気付き、付き添いの綾子さんに教えてくれる園児もいる。
「息子は、総合支援学校に行っても歩いたり、話したりできるようになるわけではない。障害のある子も大人になれば地域社会で生きていく。幼いころから多くの友だちと過ごすことで、人間関係の基盤ができていけば」。医師の賛同も得られ、昨年には署名活動が始まり、近所の人たちも奔走してくれた。
署名は計1万180人分に達し、両親は小学校入学の要望書とともに市側に提出。市教委とは何度も話し合いを重ねた結果、学校内でも家族が付き添うことなどを条件として、市教委から、州見台小に新たな支援学級を設ける申請が府教委に出された。府教委ではすでに審理を終えたといい、入学が認められる見通しとなった。
20日、統唯君は木津幼稚園の生活発表会に参加し、演劇「美女と野獣」でオオカミと村人の2役を務め、目を輝かせた。綾子さんは「ここまでこれたのは、支えていただいた仲間や地域の人たちのおかげ。息子が一緒に過ごさせてもらえたらうれしい」と話した。