私たちは少し大人になった気がする。
行かないで、……と何度も涙声で叫んだ天。
まだ、心の中では
行かないで、……
って叫んでいる。
ずっと憶えておきたい
涙のある場所には、ぬくもりがある。
そこには感情があるから。
そしてあの日の天は
ずっと心の中にある。
あの日の涙は
まだ忘れられない。
まだ胸がたまに痛む。
少なからず期待してしまう。
分かっているのに…期待してしまう…。
それでも人は大人にならなきゃいけない。
事実を受け入れなきゃいけない。
誰だって受けとめたくないけど、受けとめなきゃいけない悲しさ。
いつかはみんな大人になる。
そしてこの日の天を忘れてしまう。
決して忘れてはならない。
この日のあたたかい涙は、きっと、いつもあたたかいものだから。
忘れないで明日の未来へ受け継いでいこう。
きっと優しくなれるから。
今は涙を忘れて、一歩一歩歩もうか。………