欧州連合(EU)議長国チェコのクラウス大統領が19日の欧州議会で、EUはかつて共産圏だった中・東欧をコントロールしていたソ連に似ていると発言。EUの経済体制は「市場を抑え付ける、中央集権で管理型のシステムだ」と非難した。今年前半の議長国であるチェコのEU運営には早くも各国から不満が出ており、大統領の発言は一段の信認低下を招きそうだ。
クラウス大統領はEU政策で異なる意見を言えば、「欧州統合の敵とみなされる」と主張。EUの意思決定の効率化を盛ったリスボン条約も「(中央集権化への)事態をさらに悪化させる」と語った。チェコは2004年にEUに加盟したばかりで、欧州統合には批判的な中小国。(ブリュッセル=下田敏)(13:43)