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駅員と地元の思いが詰まった電車の発車メロディの選曲

R252月20日(金) 13時34分配信 / エンターテインメント - エンタメ総合
今では全国各地で採用されている電車の発車メロディ。その始まりは意外に古く、JR東日本広報部に開始時期を聞いたところ「20年前の1989年3月11日から採用している」とのことだ。

最初に発車メロディを導入したのは新宿駅と渋谷駅。当時、新宿駅は1991年の都庁移転を控えて国際的な街になることが予想されており、利用しやすい駅を目指して発車メロディが導入されたらしい。発車メロディはその後90年代に入り、山手線だけでなく、東海道線や京浜東北線などほかの路線でも採用されるようになる。

最近では、関西の京阪電車が駅ごとのメロディを順につなげて聞くと1つの曲になるという、ユニークな発車メロディを2008年10月からスタートさせている。また、同じ駅でも上りと下りでは発車メロディが異なるケースもあり、JR東日本広報部によれば「上下どちらが発車するのかをわかりやすくしている」とのことだ。

電車の発着をベル音からメロディで知らせるようになったもともとの発端は、乗客に気持ちよく駅をご利用いただこうという発案からだったらしい。都心の駅では、1日中電車がひっきりなしに行き来する。そのたびにせかすようなベル音が鳴ったのでは、耳障りということだったのだろう。

発車メロディは、手塚プロダクションの最寄り駅だった高田馬場駅では「鉄腕アトムのテーマ」、ソメイヨシノ発祥の地である駒込駅では「さくらさくら」といったように駅の特徴が実によく表れている。誰が選曲しているのかをJR東日本広報部にたずねたところ、「地元の人たちと相談のうえ、駅ごとで選曲している」とのこと。発車メロディにふさわしく、乗客に分かりやすいことや、駅周辺の地域色が感じられることなどを採用基準に、「この駅にこんなイメージを抱いてほしい」という思いが、発車メロディに表現されているのだ。

これだけ普及した駅の発車メロディだが、山手線全29駅の中で、新大久保駅と上野駅だけは発車メロディを採用していない。この2駅では「プルルルル〜」という耳に優しい電子音のベルが採用されている。発車メロディが全国に普及している昨今、「やはりベルの音がこのホームには似合っている」とのことで電子音が当時採用され、それが今でも続いているそうだ。

う〜ん、なるほど。一口に発車メロディといっても多くの人々の親切心や工夫が詰め込まれていたんですねえ。知れば知るほど奥が深い。たくさんの人の思いが詰まった発車メロディは、ボクらの生活を本当に“上出来”にしてくれている。
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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  • 最終更新:2月20日(金) 13時34分
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