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最終更新日: 2008/10/01
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プロの仕事研究
アーティスト本来の魅力を伝えることで、好セールスを達成したA&Rのプロ。
専門職系−マスコミ専門職
オーディオ制作センター 制作グループ/プロデューサー
田中 健太郎 (35歳) Kentaro Tanaka
入社12年目 / 慶應義塾大学 経済学部 経済学科 出身

プロフィール
1997年入社。オーディオ制作部門配属を経て宣伝グループへ。2000年より現職。制作グループのA&Rとして数多くの新人アーティストを発掘、育成。2004年にはインディーズで活躍していた『マキシマム ザ ホルモン』と出会い、ともに成長しながら今日の好セールスを達成するに至った。

プロローグ
アーティストの発掘から契約、育成、さらには楽曲の企画、制作、プロモーションまで幅広く手がけるのがレコード会社のA&R(アーティスト・アンド・レパートリー)の役割だ。ときにはプロデューサー、ときにはディレクターとしてレコード会社の業務全般に関わり、音楽マーケットを強力に牽引していく。そこにA&Rの醍醐味がある。バップの田中健太郎もそうしたA&Rの一人だ。

大学時代はバンド活動に熱中するとともに、イベントサークルに所属。就職活動シーズンを迎え、「やはりレコード会社に行きたい」と迷わずバップに入社した。そして入社から7年目を数える2003年、制作グループのA&Rとして田中はあるバンドと運命的な出会いをする。それが『マキシマム ザ ホルモン』だった。

今や音楽売上チャート上位の常連にまで成長した『マキシマム ザ ホルモン』。その成功の陰で田中の前に立ちはだかった壁とは。そして、その壁を田中はどう乗り越えたのか。魅力的なバンドと出会い、契約を交わし、そのバンドが成功するまでの田中の軌跡を追った。

メジャーデビュー好機到来! 1
田中にとってそれは絶好のタイミングだった。以前から注目していたインディーズバンドの楽曲が深夜アニメのエンディングテーマに選ばれ、視聴者に少なからぬ反響を巻き起こしたからだ。バンド名は『マキシマム ザ ホルモン』。その前年、音楽業界の知人に「絶対に田中さんの好みだと思う」と、渡されて初めて耳にした彼らのアルバムに田中は圧倒されていた。攻撃的なサウンド、過激な歌詞、それでいて分かりやすいポップセンスも持ち合せている。自身の好みだったことはむろん、A&Rに携わる人間として可能性を直感した。

しかし、バップというメジャーレーベルからデビューさせるには、あまりに個性が強過ぎるという声が社内からあがるかも知れなかった。だが、アニメのエンディングテーマに起用され、話題を呼んでいる今こそ、好機到来だった。バンドの所属事務所が“魂の交換”をできる相手だった幸運もあり、専属契約はすんなりとまとまった。もう迷うことはなかった。田中の挑戦の始まりだった。

アーティストを最大限、輝かせるには。 2
社内の承認を得るため、社内提案の際、田中は“おもしろい”という言葉を多用した。音や歌詞の個性を強調することは、かえってリスナーの好き嫌いを印象づけてしまうことになる。それよりもたとえば、『マキシマム ザ ホルモン』は女性がドラムスを担当し、ライブのトーク(MC)もその女性ドラマーが行なう。そうしたバンドのキャラクターを“おもしろい”と表現した。好悪を超えて、リスナーの広がりが期待できることを印象づけるための田中なりの戦略だ。加えて、徐々に知名度が上がっていることも重ねて強調した。それらによって社内からはすんなりと承認を得ることができた。

一方、バンドと専属契約を交わす際、その音楽およびクリエイティブの中身について、バンドの意思を最大限尊重するというのが条件であった。彼らが創造する音楽のクオリティやオリジナリティの高さに関して、田中は絶対の信頼を置いていた。逆にいわゆるメジャーデビューによって、それまでの音楽が変化してしまうことを最も恐れたのは田中だった。制約を受けることなく自由に表現することで最大限、輝いてほしい。それが田中の想いだった。こうした流れのなかで『マキシマム ザ ホルモン』、バップ移籍後、初のシングルはリリースされた。

「実力が認められないのは自分のせいなのか…」。 3
初のシングルはオリコンチャート最高位33位。好調な滑り出しといえた。プロモーションにおいて田中の念頭にあったのは、『マキシマム ザ ホルモン』の魅力をいかに正確に伝えるか、そのことに尽きていた。コアなユーザーに熱狂的に支持されているとはいえ、当時、知名度、認知度ともに高いとは言い難かった。彼らの音楽の魅力、ライブパフォーマンスの魅力、キャラクターの魅力を正確に伝えられるなら、コアなユーザー層が広がるに違いないという確信が田中にはあった。このため、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など各マスメディア関係者に積極的にコンタクトし、メディア内に“ファン”をつくることに注力した。

他方、万単位の聴衆が集まる各ロックフェスティバルへの出演を主催者側に粘り強く働きかけた。実際のライブを観れば一目瞭然、彼らの魅力がダイレクトに聴衆に伝わるはずだという想いがあったからだ。田中の情熱とバンドの実力によって、メディア内にも熱烈なファンが生まれていた。しかし、なかなか人気に火がつかない。かわりに彼らの周囲にいた仲間のバンドが先に売れ、ライブの動員がうなぎ上りにも関わらず思うように数字は伸びない。田中は自問自答した。「高い実力が認められないのは、バップが悪いのか、それとも自分が悪いのか…」。ただ、着実に“地殻変動”は起きていた。

アーティストと成長する喜び。 4
全国各地のプロモーターが集う会議の席上、田中はこう苦言を呈されたこともある。「楽曲のタイトルが過激でラジオでオンエアできない」 「そもそもラジオ向きの楽曲がない」等々。田中は静かにそれらの言葉を聞いていた。『マキシマム ザ ホルモン』はラジオで人気が出るタイプのアーティストではない。そう言いたい気持ちを喉元で抑えた。売れるための妥協などあり得なかった。

関係者のさまざまな苦言、危惧をよそにターニングポイントは自ずと訪れた。移籍後4枚目のシングルがオリコンチャートベストテン内に入ったのだ。もともと彼らが持っていた万人に通じるポップセンスが初めて開花した。注目されることでかつてリリースした楽曲も売れ行きを伸ばすという好循環も生まれた。ロックフェスティバルに登場すれば、地響きのような大歓声に包まれる。興奮した聴衆の歓声を耳にし、田中の心もまた震える。本物のアーティストに出会い、ともに成長していく喜び。それが田中のプロフェッショナリズムの源泉である。

エピローグ
『マキシマム ザ ホルモン』は今や、シングル、アルバムともにオリコンチャート上位の常連。好セールスを記録するとともに、邦楽ファン、洋楽ファンという壁を越えたユーザーをつかみ、音楽業界で際立った存在感を示すに至っている。最近では韓国ロックフェスへの出演やアメリカツアーを成功させるなど、海外での活躍も目立ってきた。彼らに出会ったことで業界のさまざまな“壁”を壊してきたと自負する田中にとって、次なる壊すべき壁は世界との壁だ。その意味で田中の挑戦はまだまだ終わってはいない。これからも前例や常識にとらわれず、魅力的なアーティストを発掘し、音楽の可能性を切り拓いていきたい。それが変わらぬ田中の信念である。
「惚れたアーティストを輝かせること。それが自分の使命」と田中は語る。

〜仕事で活かした学生時代の経験〜
大学時代はバンド活動をするとともに、大学横断的なイベントサークルに所属。さまざまなイベントの企画立案、運営を手がけ、そうした活動を通じてさまざまな個性と出会った。いつも似た者同士で集まっているのではなく、千差万別の個性とコミュニケーションを交わした経験が、今の土台になっている。
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