国体冬季スキー競技会の開会式が17日、湯沢町の湯沢カルチャーセンターで開かれた。県内開催は7年ぶり8回目。47都道府県の選手や役員ら2285人が参加、18日から始まる競技を前に決意を新たにした。
式の冒頭、各都道府県選手団の旗手が入場行進。大回転の成年男子Aに出場する新潟県選手団の旗手、飯田正義選手(専修大)は旗を高く掲げ、勇ましく歩んだ。開催4市町と県の五つの火が炬火(きょか)台にともされると、会場から拍手が起きた。
全選手を代表し、新潟県選手団でジャンプと複合の少年男子に出場する清水礼留飛(れるひ)選手(妙高高原中)が「全国の仲間と競い、支えてくれた皆さんに感謝の気持ちを忘れずに競技することを誓います」と選手宣誓。16日から来県している秋篠宮さまは「大空を羽ばたくトキのように、感動と希望を多くの皆さんに与える素晴らしい大会になることを期待します」とあいさつした。
20日までの3日間、ジャンプ、大回転、距離などの種目が行われる。県選手団は男女ともに「総合優勝」を目標に掲げる。【畠山哲郎】
県選手団は、骨髄バンクへの登録を呼び掛けるカードを作り、有志がスキーウエアの胸に付けて開会式に臨んだ。
きっかけは選手団の元コーチ、斎木秀雄さん(40)の家族を巡る出来事。05年1月、長男雄太君が難病を患っていることが発覚。骨髄移植すれば助かる見込みだったが、ドナーが現れず06年4月、10歳で亡くなった。次男翔太君(9)も同様の病気を患っていたが、ドナーが見つかり07年10月、骨髄移植を受けて助かった。
こうした出来事を踏まえ、もっと骨髄バンクを知ってもらおうと、県選手団コーチの桾沢(ぐみざわ)俊明さん(41)がカードを発案した。桾沢さんは「いろんな人とのつながりの中で開催できる大会。こうしたことを大会を通じて発信していきたい」と話す。【畠山哲郎】
毎日新聞 2009年2月18日 地方版