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広域連合立の新しい病院、経営シミュレーション示す〜市側が市議会特別委員会に提出
(2月20日付け)
紋別市議会の道立紋別病院問題に関する特別委員会(柴田央委員長)が19日開催され、22年度からのスタートを目指している西紋5市町村の広域連合立病院についての経営シミュレーションを市側が示した。常勤医師数26人を確保して患者数も目標に達し、安定軌道に入ると見込んだ平成31年度でも収支は4億4600万円の赤字。ただ減価償却費を除いた実質現金不足額は5600万円程度で、委員側からは「この程度なら許される範囲」とする声が出る一方、「赤字が続けば、大変なことにならないか」と危惧する声も出た。
経営シミュレーションは条件として、現道立紋別病院の18診療科を維持し、人工透析は9台でスタートし、4年後の平成25年度には目標の15台に達すると想定。同様に常勤医師は15名でスタートし、4年後には20人、平成30年度には目標の26人に達すると仮定し、これに応じて患者数も上昇するなど、現道立紋別病院の過去の実績を基本として積算している。
収益については、今後の医療費縮減政策から診療報酬のマイナス改定を予想し、改定率を2年ごとのマイナス0.5パーセントで設定した。
給与費については医師の年俸は平均約2300万円と設定。現道立紋別病院の約1.5倍程度になる。一方、医師以外の医療職員は現道立紋別病院の支給実績から10%減の給与体系にし、ベースアップは毎年0.5パーセント見込んだ。
医業収益における人件費の割合を示す給与費比率は、平成31年度で65.7パーセント(100の収益に対し、人件費が65.7)を見込んだ。一般企業と比べればまだ高いが、平成18年度の道立紋別病院の給与費比率101パーセント(収益100に対して、人件費がそれを上回る101)に比べれば大きく改善される。
広域連合を構成する西紋5市町村側では、建物の改築や、一定期間の赤字補填など道の財政支援が得られることを期待していて、今後の道との交渉しだいになるが、この経営シミュレーションでは平成25年度に新しい建物が完成することを見込み、その減価償却費を設定した。
それらの結果、初年度の平成22年度の損益は6億2420万円の赤字で、そのうち減価償却費を除く実質資金不足額は4億4800万円となる。その後も赤字経営が続くが、医師の増加と、それによる患者の増加を見込んでいくと、平成31年度には損益の赤字額が4億4600万円に圧縮。実質現金不足額も5690万円程度に抑えられる予想となっている。
(財政シミュレーションについて議論した特別委=写真=)
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