阿南共栄病院(阿南市羽ノ浦町)が昨年4月に始めた、医師に代わって助産師が妊婦健診を行う「助産師外来」が好評だ。健診時に悩みなどの相談ができるためで、妊婦のうち、4分の3が受診。出産後の受診者アンケートでは、「不安が解消された」との声が多く寄せられている。
共栄病院の助産師外来は、昨年四月に始まり、同十二月末までに共栄病院で出産した妊婦二百二十一人のうち、百六十六人が受診した。
妊娠二十六週と三十四週ごろの二回の健診が対象。二人の助産師がアロママッサージと足浴を取り入れながら約四十分間にわたって健診している。
五-十分間の医師の健診に比べて、助産師外来は時間が長い。そのため受診者は雑談もでき、妊娠中の悩みや子育ての不安について気軽に相談しやすいという。
見能林町貞成の主婦橋本彩花さん(19)は「夫にもマッサージの仕方を教えてくれて、出産の時にとても役立った」と振り返る。
出産後の受診者に行ったアンケートでは、「次回出産時にも助産師外来を希望するか」との質問に対して、96%が「希望する」と回答。「医師より相談や質問がしやすい」という意見も多かった。
共栄病院の和泉佳彦医師は「分娩(ぶんべん)台のそばによく知った助産師がいると妊婦は安心できるようだ。助産師外来導入のメリットは大きい」と話している。
助産師外来は、県内では共栄病院のほかに徳島大学病院と県立中央病院も行っている。【写真説明】アロママッサージを受けながら助産師に出産の悩みを相談する妊婦=阿南市羽ノ浦町の阿南共栄病院