他人に成りすまして外国に入国するため、指にはる偽の指紋テープが韓国の闇社会に広く出回っている可能性が出てきました。日本の警察当局も警戒を強めています。
これは、ヒトの指紋から作られた「指紋偽造テープ」。透明なシリコン樹脂製で厚さは1ミリもありません。
「テープには私とは別人の指紋が刻まれています。こうしてテープを指に乗せると、機械は私のことをこの指紋の持ち主と誤って認識してしまいます」(記者)
去年4月、韓国人の51歳の女が青森空港から不法入国する際、これと同じタイプのテープを指に巻き、指紋の生体認証審査をすり抜け、入国しました。
日本は2007年11月から外国人に対し、入国時に人差し指の指紋の採取を義務付けています。しかし、韓国警察では、こうした特殊なテープを使って不法入国する手口が横行している可能性があるとみています。
「(逮捕された女が)『同じ方法で日本に入国した者がいるから心配するな』と、ブローカーに言われたと供述した」(ソウル・ノウォン警察署 ユ・ギョンギュ係長)
テープは1枚68円程度。わずか1日で作ることが出来るといいます。
韓国では去年、不法入国を企てた男女に指の皮膚をえぐり取り縫い合わせるなどして、指紋を変える手術を施したグループが摘発されました。
韓国警察は、指紋の生体認証審査をかいくぐるための様々な手口を編み出し、不法入国を斡旋する組織が存在するとみて捜査しています。(19日16:12)