自宅前で報道陣に囲まれる阪上善秀宝塚市長=19日午前、兵庫県宝塚市、日吉健吾撮影
阪上善秀市長の逮捕を受けて会見する坂井豊副市長(手前)=19日午後4時58分、兵庫県宝塚市役所、森井英二郎撮影
兵庫県宝塚市の公営霊園造成工事をめぐって現金100万円のわいろの受け渡しがあったとして、県警は19日、元衆院議員で同市長の阪上(さかうえ)善秀容疑者(61)を収賄容疑で逮捕したと発表した。県警によると、阪上市長は贈賄容疑で逮捕された神戸市中央区の経営コンサルタント会社「神戸市湾岸開発」社長の西岡榮太郎容疑者(69)らに「金を貸してほしい」と自ら求めていたという。県警は、阪上市長が06年4月の市長選直後で資金繰りに苦慮していたことが背景にあるとみている。
宝塚市では前市長もパチンコ店出店などをめぐる汚職事件で有罪判決(確定)を受けており、2代続けて現職市長が逮捕される異例の事態となった。県警によると、阪上市長と西岡社長は現金の授受を認める一方で「わいろではない」と容疑を否認。2人を仲介した元宝塚市議の井ノ上均容疑者(64)=贈賄容疑で逮捕=は容疑を認めているという。
捜査2課によると、阪上市長は06年4月12日、宝塚市内の飲食店で井ノ上元市議と一緒に西岡社長と面会。市都市整備公社が進める「宝塚すみれ墓苑」(08年8月完成)の造成工事について、西岡社長に業務提携先の中堅ゼネコンに受注させるなどの意図があると認識しながら、100万円を受領した疑いがある。
捜査関係者によると、阪上市長は同店内で「200万円を貸してほしい」と求め、西岡社長は「金の貸し借りはしたくない」と言って100万円を提供したとされる。この会合の前後、西岡社長から造成工事を中堅ゼネコンに受注させてほしいという趣旨の話をされ、成功報酬についても聞かされていたという。しかし、このゼネコンは受注できず、阪上市長は07年1月、井ノ上元市議を通じて100万円を西岡社長に返却した。