ニート自立へ成果着々 盛岡のサポート団体


 ニート(若年無業者)の就業を支援する盛岡市の盛岡地域若者サポートステーション(高井昭平代表)が成果を上げている。利用者の2008年度(昨年4月−今年1月)進路決定数は73人で前年度を大幅に上回った。自ら求人情報収集や面接予約などを行う「就活実践クラブ」を昨年10月導入し、ワーキングルームや就業体験を通じても意欲を高めた。関係者は「就職後も支援を続けていく」と見守る。

 同ステーションは06年5月に開設。盛岡市内丸の県公会堂で、15歳からおおむね35歳未満の無業者の自立支援を行っている。

 08年度は1月時点で123人が登録。進学、就職の進路決定は73人と、06年度の13人、07年度35人を大きく上回った。就職先は接客業や食品加工業、農業などで、進学は専門学校や、高校への復学、編入などだった。

 平日開催の「ワーキングルーム」は定時に集合する習慣付けの模擬通勤。紙すきや名刺作りなどを行い、利用者のコミュニケーション能力向上を図る。現在は作品展に向け、折り鶴や段ボールアート、ビーズアクセサリー作りなどに励む。

 ワーキングルームで利用者と触れ合うボランティア支援員の星合祐子さん(57)は「驚くほど個性や才能がある。教えられることも多い」と話す。

 うつ病を患う同市厨川の女性(29)は昨年12月、市内の販売業に就職。現在も心療内科に通院するが「サポステは人生の通過点。毎日通うことで、自分に自信が持てるようになった」と話す。

 同ステーションは08年度、早期就職を目的に就業体験や就活実践クラブなどの新事業を導入し、利用者の就職意欲を高め、実績向上につなげた。

 就業体験は利用者の希望する企業をスタッフが開拓。20日間行われ、そのまま採用されたこともあるという。これまで体験した15人中、8人が就職を決めた。

 進路決定者増加について、相談員の金山明さん(61)は「受け入れ企業のおかげ。利用者のモチベーションも高まっている」と手応えを語る。

 就活実践クラブや就業体験は登録が必要。問い合わせは同ステーション(019・625・8460)へ。

 ニート(若年無業者) 仕事に就かず教育、職業訓練を受けていないおよそ15歳から35歳までの若者。就業意欲が低下している人、精神疾患など心身の問題を持つ人もいる。05年実施の国勢調査によると、県内で約4千人。最近の経済情勢により、増加傾向にあるとみられる。

(2009/02/18)

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