北海道千歳市の市立中学1年の女子生徒(13)が昨年6月にいじめ被害をほのめかす書き置きを残して自殺を図り、現在も意識不明の重体になっている問題で、女子生徒の父親(51)は18日、毎日新聞などの取材に応じた。
父親は、「いじめの有無は確認できない」とする学校側や市教委の姿勢を強く批判し、「なぜこういうことが起きたのか、事実をすべて出してほしい」と訴えた。
女子生徒は自殺を図る数日前、両親に「(同じクラスの生徒に)ばい菌扱いされた」「ウザイと言われた」と打ち明けていた。
しかし、市教委は今月17日の会見で、「(ばい菌扱いされたことを)見聞きした人がいない」と説明。「ウザイ」という言葉については、「いじめに当たる言葉ではない」(学校側)、「生徒が苦痛に思えばいじめに当たるが、学校で日常的に使われている」(市教委)との認識を示した。
こうした説明について、父親は「学校側から以前、『ばい菌扱いされた時の様子を見た生徒がいた』との報告を口頭で受けた」と反論した。
また、「ウザイと言われた本人は明らかに思い詰めていた。(いじめに当たる言葉でないというのは)普通の感覚ではない」と不信感をあらわにした。
市教委は現在、両親の話を聞くため、面会を求めている。父親は「これだけの月日がたってからというのも信じられないが、話はしたい」として、近く応じる意向を示した。
【久野華代】
毎日新聞 2009年2月19日 13時38分