鳥居復活、笑いで恩返し 栗原・狩野英孝さん実家

地域の支援で完成した桜田山神社の本鳥居と神主の狩野さん
 宮城県栗原市栗駒の桜田山神社が、岩手・宮城内陸地震で倒壊した本鳥居を新しく完成させた。1500年の歴史がある神社はお笑いタレント狩野英孝さん(26)の実家として有名になり、参拝客が急増した。初詣で時期に完成は間に合わなかったが、4月12日には春の大祭があり、狩野英孝さんも無料ライブを行う。神社は「今度は復旧した姿で多くの人を迎えられる」と意気込んでいる。

 神社は、約300年前に建てられた本鳥居が震災で根元から折れた。このほか、灯籠(とうろう)や社殿、社務所、自宅も被害を受け、修繕積立金や地域住民でつくる地縁団体桜田財産管理会の支援金を、復旧や応急処置の費用に充てた。

 本鳥居の工事は正月までに終える予定だったが、降雪で年明けに持ち越されていた。神主の狩野勉さん(56)は「本来の神社の姿に戻れた。地域の協力のおかげ」と胸をなで下ろす。

 正月三が日の初詣で客は約3000人で例年の10倍という。「ラーメン、つけメン、僕イケメン」のギャグで人気者となった長男の英孝さんが、テレビ番組で神社を話題にした効果で「関東など県外からも多くの参拝者が来てくれた」と勉さんは驚く。それだけに「本鳥居が柱のみの状態だったのは残念」と悔やむ。

 春の大祭は無病息災などを祈って「桜田ばやし」を奉納する伝統行事で市の無形文化財。山車が神社周辺を巡り、子どもたちが太鼓や踊りを披露する。英孝さんは大祭に合わせて帰省。神社敷地に設けた舞台で、市内の復興や神社の復旧支援に対して礼を述べ、芸を披露する予定だ。

 神社は田園が広がる集落にある。大祭当日は地域住民やファンらが多く訪れることが予想され、勉さんは駐車場の確保など準備を急ぐ。露店も地域の子ども会が例年出しているお菓子の店のみにとどめ、見物スペースを確保する。

 「桜田地区が有名になったのはうれしい」と息子の「孝行」を喜ぶ勉さん。「子どもが少なくなり、大祭の参加者も減っている。人出を地域活性化につなげたい」と話している。
2009年02月18日水曜日

宮城

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