受精卵を取り違えた可能性がある作業内容についてホワイトボードを使って説明する米沢優・香川県立病院産婦人科主任部長=19日午後4時25分、高松市番町4丁目の香川県庁、小林一茂撮影
記者会見で謝罪し頭を下げる松本祐蔵・香川県立中央病院長(中央)ら=19日午後4時1分、高松市番町4丁目の香川県庁、小林一茂撮影
香川県立中央病院=高松市番町5丁目、千代明弘撮影
香川県は19日、同県立中央病院(高松市)で08年9月中旬、体外受精をした不妊治療中の20代女性に対し、過って別の患者の受精卵を移植した疑いがあり、同11月中旬に人工妊娠中絶を行ったと発表した。病院は女性に謝罪した。
県によると、産婦人科の男性担当医(61)が移植をした際、女性の受精卵が入った容器でなく過って別患者の容器から取り出した受精卵を女性の子宮に戻した可能性が高いという。本来は女性の受精卵が入った容器のみを台上に置かなければならなかったという。病院側は担当医から「注意不足で過って他人の受精卵を移植してしまった。非常に反省している」と説明を受けているという。
県によると、女性は県側を相手に約2千万円の損害賠償を求める訴えを高松地裁に起こした。県は「事実関係は大筋で認める。女性側と話し合いを続けていきたい」としている。