WEB+DB PRESS インタビュー
第 3 回 どちらを選ぶ?スペシャリストかマネージャーか ( 1 / 2 )
Cybozu Developer Network では、「 WEB + DB PRESS 」 ( 技術評論社 ) とのタイアップ企画として、同誌上に 3 回にわたり弊社技術者へのインタビューを連載しています。
3 回目の今回は、「 ガルーン 2 」や「リモートサービス」など、数多くの製品を手掛けているアーキテクト・萩谷謙一が、スペシャリストのキャリアについてお伝えします。
「みんなで決める」開発スタイル
サイボウズ入社前は、どのような仕事をしていましたか?
ハードウェアからソフトウェアまで手広く扱う大手メーカーの系列企業で、組み込み系の受託開発を中心とした仕事をしていました。具体的には、ECMAscript のコンパイラやプリンタのデバイスドライバを開発するプログラマーとして働いていましたが、外注管理などのマネジメント業務も担当していました。
どのようなきっかけで転職を考えるようになりましたか?
入社してしばらくは、プログラマーとしての技術的な仕事が中心でしたが、社歴が長くなるにつれ、外注管理などのマネジメントの仕事が中心になっていきました。私はもともと技術的な仕事をしていきたいという希望を持っていましたから、それが転職を考え始めたきっかけです。
サイボウズを選んだ理由は?
自分が作った製品をたくさんの人に利用してほしいので、受託ではなくパッケージベンダーを探しました。サイボウズを選んだ理由は、明確に覚えていませんが 「 勘 」 でした。最初に面接したときに技術的な話で盛り上がり、 「 ここは面白いことができそうだぞ 」 というひらめきを感じたのです。サイボウズの製品は知っていましたが、実際に利用したことはありませんでした。ただ、面接の前にダウンロードして、どんな作りになっているんだろうと見たときに、まだまだ改善できそうな部分があると思いました。
入社前のサイボウズという会社のイメージはどんなものでしたか?
面接を終えて帰宅したら、面接担当者から 「 今日は面白かった。今度飲みに行こう 」 というメールが届いていて、 「 なんだ。この会社は 」 と思いました ( 笑 ) 。そういうところでは、型にはまっていない、今までとは違う会社だというイメージを受けました。厳しい上下関係はなく、みんなで考えてみんなでモノを作るとことが根付いている会社ということを、入社前から実感することができました。
入社して何年になるのですか?
2003 年 10 月に入社したので、もうすぐ 4 年ですね。
入社後、どういったお仕事を担当されたのですか?
入社して初めに、今の 「 ガルーン 2 」 のベースになっているフレームワークの開発プロジェクトを担当しました。その後は、ガルーン 2 のアーキテクトとして、ベースシステム全体をレビューし実装する仕事に就きました。次は、ネットサービスのアーキテクトになりました。最初のフレームワークは自分で開発し、クローラなど周辺機能全般を担当しました。現在は、次世代の情報共有ソフトウェアと、 「 リモートサービス 」 の技術責任者として仕事をしています。
今までやってきた仕事の中で一番印象に残っているものは?
どれも印象に残っていますが、あえて言うなら最初の 「 フレームワークプロジェクト 」 ですね。技術スキルが高いメンバーとディスカッションしながら、どのように品質や開発効率を上げるかを学ぶことができました。
前職の経験というのは役に立ちましたか?
やはりフレームワークプロジェクトという、低いレイヤーのところをやりたかったので、デバイスドライバなどとは少し違うのですが、みんなに使われるということでは結構活きているとは思いますね。
品質を上げるというお話でしたが、サイボウズのやり方で感心したものというのはありますか?
プロセスに関しては同じですが、 「 みんなで決める 」 というのが他と違うところですかね。以前の会社では、自分一人で決めてしまったり、 「 これでいいんじゃない 」 となってしまうところがありました。サイボウズでは、みんなで話し合う、ディスカッションする機会が多いことにびっくりしました。最終的にみんなが良いと思えるものが自然に選択されるので、納得して選択ができます。また、この方法は開発しているモノに対してより愛着が湧いてくると思えます。
「 使いやすい 」 の声がモチベーション
ユーザの声は毎日確認するのですか?
はい。ネットサービスを作っていたときは、毎日確認していました。
厳しい声が多いですか?それともお褒めの言葉が多いですか?
厳しい方が多いです。Web のアラートなどで、例えば 「 ガルーン 」 などをキーワードで登録しており、誰かがその言葉を書いたりすれば自分は分かるので、それを feedpath を使って毎日のように読んでいます。読んでいると、リリース当初は 「 なんだこれ 」 という意見も多数ありましたけど、最近では結構 「 使いやすいね 」 と書いてくれる人も多く、安心しています。
ユーザの声を反映した機能などはあるのですか?
パッケージ製品ですと、あるにはあるのですが開発プロセスを踏まないといけないので反映に少し時間がかかります。ネットサービスの製品であれば、ブログに意見や要望が書かれた瞬間に通知を受けることができるので、それを見てその場で直すということもありますね。読んで自分で納得すれば、誰に決定権があるわけではないので、そのまま自分で組み込んだりしますし、少し自分が迷うことがあればチーム内で共有し、 「 この機能があったら嬉しい 」 と一致すればその内容で反映をします。
ユーザの声を大切にされているのですね。
そうですね。それを大切にすることこそが製品を作る意味だと思っています。
作る嬉しさというのはユーザに喜んでもらえるという点が一番ですか?
使ってもらって 「 使いやすい 」 という声を聞くことが一番嬉しいです。それがモチベーションになってますね。 また、自分のスキルを高めたいということもあります。
Page [ 1 ] ・ [ 2 ]