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「動物の看護師」全国組織発足へ 国家資格化目指す(1/2ページ)

2009年2月19日8時2分

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 動物病院で獣医師の仕事をサポートする「動物の看護師さん」の全国組織が今春、発足する。犬や猫とふれあう楽しい仕事というイメージが強いが、実際は病気の大型犬を抱きかかえたり、ふんを処理したりと生やさしい仕事ではなく、長続きしないケースも多い。関係者は、ペット医療のレベルアップには動物看護職の地位向上が欠かせないと、国家資格化に向けて動き始めた。

 「仕事を始めた20年前から、統一した資格が夢でした」。1月24日、盛岡市で開かれた日本動物看護職協会の発起人総会で、看護職の女性が全国組織発足に向けての希望を訴えた。

 医師や看護師、歯科医師、薬剤師など約20の国家資格があるヒトの医療に対し、国が認めている動物医療の資格は獣医師だけ。獣医師は広い範囲の病気を一手に引き受け、動物病院では医療の高度化への対応に加え、飼い主への心のケアなども求められるようになっている。こうしたなかで、看護職の役割は重視されてきている。

 日本獣医師会によると、全国には現在、約2万人の看護職がいる。受け付け業務やカルテの管理、入院した犬や猫たちの世話と忙しい。近年のペットブームで若い女性を中心に希望者が多くなったが、月給は十数万円ほどで、数年で辞める例も多い。「3K」職種という認識が広がり、最近は動物専門学校への入学者も減り始めているという。

 こうした状況に危機感を抱いた日本獣医師会は06年に検討委員会を設置。認定資格を出している主要な5団体や教育機関などに、全国組織づくりを呼びかけた。動物看護士、動物看護師、動物衛生看護師士などと団体ごとに異なっていた呼称を「動物看護職」に統一。昨年11月に立ち上げた日本動物看護職協会の発起人会には約380人が集まり、協会は今年5月に正式に発足する見通しだ。

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