指導を受けながら麻雀を楽しむ中高生=門間新弥撮影
「部活は何をしてるの?」「受験勉強は順調?」
東京・蒲田の「ニューロン麻雀(マージャン)スクール」では、そんな会話を交わしながら小学生から高校生の子どもたちが卓を囲む。賭けない。たばこは吸わない。ここで行われているのは、純粋にゲームとして楽しむ「健康マージャン」だ。
たばこの煙が充満する部屋で、中年男性が集まり「徹マン(徹夜マージャン)」――。そんな従来型の雀荘(じゃんそう)はこの十数年でずいぶん姿を消した。一方で「テレビゲームやインターネットで対局するゲームが普及し、ゲーム感覚でマージャンを楽しむ若者や女性が増えた」と、同スクールの池谷雄一代表は話す。
ルールを覚えれば、年代やレベルを問わず一緒に遊べるのがマージャンだ。初心者の子どもにはプロが基本から教えるが、自分の判断で対局できるようになったら、大人の受講者やプロに交ざって対局する。老若男女がいる中で、要求されるのは技量よりマナー。池谷代表は「負けて悔しいからといってわがままに振る舞うと、周りから総スカンを食らう。対人コミュニケーションの鍛錬になる」。
捨てるパイを素早く決める「決断力」や、状況を的確に把握する「分析力」も鍛えられる。中高生の受講者からは「集中力がついた」という声もあった。
中学2年の石森雄太さんはマージャン歴4年。「欲しいパイがなかなか来ないなど、世の中にはうまくいかないことがあると痛感しています。忍耐力がついた」。父の邦夫さん(43)は「一人っ子なので、違う世代の人と交流する貴重な機会になっている」と意義を語る。親子で楽しむこともあるという。(葉山梢)
●認知症予防にも
マージャンは頭や指先を使うことから、脳が活性化するという研究結果もある。認知症防止策としても注目され、高齢者にも人気となっている。
ニューロン麻雀スクールでは97年から、子ども向けの教室を開いている。対象は6〜17歳。蒲田、品川、町田の各教室を合わせ約500人が登録している。
会費無料。教室のOBや大学マージャン部の学生らがボランティアで運営にあたっている。問い合わせは同スクール(03・3739・4181)へ。
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