倉敷市の伊東香織市長は市長就任後、初めて手がけた当初予算案を「安心と未来づくり予算」と名づけました。倉敷市の発表によると新年度の当初予算案は、一般会計で1,484億4,600万円余り。子育て・教育関連や環境対策、緊急経済対策などを重点的に盛り込みました。歳入は急激な景気の落ち込みを受け、市税収入の法人分がほぼ半減するなど、前の年に比べ53億円のマイナスになりました。市税収入の落ち込み幅としては過去最大となりました。倉敷市では地方交付税や臨時財政対策債で不足分をカバーしています。一般会計歳出の主なものとしては、入院した場合の子ども医療費助成を小学6年生までに拡大する経費に1億1,400万円あまり。環境対策として電気自動車10台を購入する経費に4,700万円。外国人観光客を誘致するためパンフレットなどを制作する経費に728万円。軽自動車税の納付をコンビニエンスストアで支払えるようにする経費に4,891万円などとなっています。このほか、耐震基準の見直しで工事が遅れていた真備・船穂地区の健康福祉施設や体育施設の整備事業費、まちづくり交付金を活用した児島・玉島の市民交流センターの整備事業費なども盛り込まれました。倉敷市の当初予算案は、2月25日からはじまる2月定例市議会に提案され審議されます。
倉敷市議会の議員15人が行った行政視察が観光旅行であったとして倉敷市民オンブズマンが、倉敷市長に政務調査費の返還請求するよう求めた訴訟の判決が、岡山地方裁判所できのう言い渡されました。判決では、原告の訴えを認め倉敷市長に政務調査費の返還請求を行うよう命令しました。
訴訟の対象となったのは、倉敷市議会の自由民主クラブの14人の議員が、平成18年8月25日から3日間、また、他の1人の議員が2日間行った行政視察に対して支払われた一人8万9780円から10万9580円の政務調査費です。市民オンブズマンは、この行政視察が観光旅行であったとして平成19年11月に岡山地方裁判所へ提訴していました。判決では、該当の行政視察が観光旅行であったと断定し倉敷市長に対して政務調査費総額162万3900円を自由民主クラブの議員15人に対して返還を求めるよう命令しています。判決内容について原告の市民オンブズマン三宅毅代表は、「市民の常識からかけ離れた議員の常識が問われていた。当然の結果です」と話していました。また、倉敷市の伊東香織市長は「本市の主張が認められず残念に思います。判決を詳細に検討し今後の対応を考えたいと思います」とコメントしています。倉敷市議会の大橋賢議長は、「政務調査費は、市政重要課題の調査研究のために必要な経費で、これまでも領収書や視察報告書を公開するなどして使い道を明らかにしてきたが、今後とも、公費であるという認識をもって一層適正な支出に努めたい」とコメントしています。
今年、総社市奨励賞を受賞したのは、趣味のアコーステックギターで地域貢献活動に尽力した保健福祉学部栄養学科の中村 智也さんら3人です。総社市の片岡 聡一市長から3人へ表彰状と副賞が贈られました。情報工学部情報システム工学科の難波 寛和さんは、看護師の勤務スケジュール再編システムを開発した点が評価されました。また、デザイン学部ビジュアルデザイン科の今雪 るりさんは、学生CMコンクールでテレビCM部門全国1位の大賞を受賞するなど今後の活躍が期待されています。片岡市長は「学生時代に学んだ経験を活かし、社会人になっても厳しい困難を乗り越えてほしい」と激励の言葉を贈りました。
さて、桃の節句まであと2週間となりました。倉敷市の商店街やギャラリーなどでは今週土曜日から「倉敷雛めぐり」が始まりますが、倉敷市加須山の民家でもひと足早くあすからチャリティひな祭り展が開催されます。
倉敷市加須山の吉村さんのお宅。玄関を入ると・・・そこにはまさに所狭しとひな人形が並べられています。これは吉村桂子さんがコレクションで集めたもので、今年で5回目になります。吉村さんは10年前くらいからコレクションをはじめ、その数は現在、200点から300点に及びます。会場には最近凝っているというガラスのお雛様をはじめ、小さいものから大きいものまでさまざま展示されていて、ギャラリーも顔負けといった豊富な品揃えです。会場ではこのほか、友人たちが製作したひな人形や絵の具で日用品にデザインを施したトールペイント作品など、手作りの品々がチャリティ販売されています。毎年、収益金を日本盲導犬協会などに寄付しており、ひな祭りを通じて友人の輪が広がっているということです。このチャリティひな祭り展は、あすから今月23日(月)まで、倉敷市加須山の吉村さん宅で午前11時半から午後8時まで開催されます。
耳まで裂けた口に、剥き出しの牙。そしてつりあがった目。会場には、迫力のある鬼瓦や鬼の香炉などおよそ30点が展示されています。作品展を開いたのは、玉野市の王子が岳に窯を構える備前焼作家浜松 昭夫さんです。浜松さんは本業の備前焼作品の制作の傍ら、半年ごとにテーマを決めて様々なジャンルの焼き物を制作しています。今回は「鬼博」と題し、気品と迫力あふれる鬼瓦など、鬼をモチーフにして制作した作品展を開きました。鬼瓦は、「吽」と呼ばれる雄鬼と「阿」と呼ばれる雌鬼があり、阿吽一対で屋根に置かれます。強いものの象徴である鬼は、邪気を追い払い、福を呼び込むといわれています。そのルーツは中国にみられ、日本では中国唐の文化を積極的に取り入れだした奈良時代に始まり、以降急速に全国に普及しました。今回展示した作品は浜松さん自身が、全国各地の鬼瓦を取材し、資料を基に制作したもので、中国敦煌まで足を運んだそうです。鬼瓦や鬼のオブジェは風格あふれる迫力の姿から単に厄除けや魔除けとしてだけではなく、最近では伝統美と存在感を兼ね備えたインテリアとして人気を集めているとのことです。作品展は3月31日(火)まで国民宿舎王子が岳の山頂レストハウスで開かれています。