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ネット犯罪:児童被害、深刻「非出会い系」 出会い系上回る--08年警察庁

 インターネットのサイトに絡み08年中に犯罪の被害者となった児童(18歳未満)が1516人に上ることが警察庁の調べで分かった。いわゆる「出会い系サイト」による被害者は724人と前年比376人減。一方、日記やプロフィルを書き込んで誰とでも交流できるコミュニティーサイトなどの「非出会い系サイト」に関係した被害者は792人で、出会い系サイトを上回った。警察庁は「非出会い系サイトに関しても深刻な状況にあることが裏付けられた」と分析している。

 警察庁は出会い系サイトを利用した児童が買春などの被害に遭うケースが後を絶たないことから、法改正をして、児童を誘う書き込みを即座に削除することや、事業者の届け出制の導入などの対策を取ってきた。一方で、出会い系以外のサイトでも同様の被害が起きていることから、初めて被害集計を行った。

 被害者792人のうち女性は768人。事件別では、青少年保護育成条例違反(545人)が最多。児童買春・児童ポルノ規制法違反(204人)と続き、殺人(2人)や強姦(ごうかん)(15人)などの被害者となるケースもあった。

 出会い系サイトの被害者のうち714人(98・6%)がアクセス手段として携帯電話を使用。非出会い系でも同様の傾向がみられるという。しかし「不正書き込みの監視体制を強化したり、不正な書き込みを禁止しているが、業界の自主規制に頼っているのが実情」(警察庁)という。

 ◇SNS運営会社「監視強化する」

 会員数1200万人の人気サイト「モバゲータウン」(略称モバゲー)。運営する「ディー・エヌ・エー」(東京都渋谷区)によると、携帯電話で無料のゲームが楽しめるほかソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使って会員間で交流できる。昨年5月、モバゲーで知り合った小学生女児と性的行為をしたとして宮城県警が無職男を強姦容疑で逮捕したほか、一昨年11月には青森県の女子高生が無職男に絞殺される事件も起きている。

 運営会社は、ネット上で知り合った会員同士が直接会うことを禁止する。さらに、約400人、24時間体制で不正な書き込みをチェックし、発見すれば書き込みを削除。悪質な場合は強制退会させるなど自主規制措置を取っている。

 また、有害サイト規制法の成立を受け、携帯電話大手3社は18歳未満の契約者については保護者の同意がない限りフィルタリング(閲覧制限)を適用することを決めた。

 運営会社は「ネット上の交流を楽しんでいる会員のために、不正監視を強化していくしかない」と話している。【河嶋浩司】

毎日新聞 2009年2月19日 東京夕刊

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