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「赤ちゃんポスト」に異議あり
 先日、熊本の病院に、「赤ちゃんポスト」が設置されました。望まれずに生まれてきた命を一つでも多く救いたいと、病院側は主張されましたが、私は敢えて、これに異議を唱えたいと思います。親が「匿名」で子どもを置き去りにすることが認められているからです。 「赤ちゃんポスト」・・・このネーミングにも私自身は抵抗があるし、何よりも親の最低限の責任すら放棄することを助長することになるのではないでしょうか。赤ちゃんを産んでも育てられない場合、日本には子どもを一時的に預かり、育ててもらえる公的機関があります。 自分の身元を明らかにした上で、このような施設に子どもを預けることも出来るのです。これは最低限の親の責任かと思います。しかし、今回の「赤ちゃんポスト」の場合は、子どもを置き去りにする親が誰なのか・・・?それすら、わからないのです。 これでは制度として子供を手放すことを認めることになりはしないでしょうか?親としての責任を安易に放棄してしまう若い人が増えていくことが・・・とても心配です。
 私は声を大にして申し上げたい。日本の<家族>は今、危機的な状況に陥っています。私は政治信条として、誰にとっても身近な筈の<家族>の問題を、正面から考えてまいりたいと思います。親にとっての子ども、子どもにとっての親、夫にとっての妻。 そして、妻にとっての夫。更には、核家族世代をこえて、おじいちゃんやおばあちゃんとの対話。こうした<家族>のあり方について、真摯に考えるべき時ではないでしょうか?
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西川家のお茶会!夜11時!全員集合!
 <家族>の基本は会話です。そして、息づかいや肌の暖かさを感じ合うことだと、私は思います。それを欠かさない為、西川家でずっと続けたことがありました。子どもたちが 成人してしまった今となっては懐かしい思い出となりましたが、その話をしたいと思います。
 我が家では子どもが独立するまでの間、夜11時になると、<家族>みんなが一同に会する「お茶会」がありました。いわば西川家の日課です。子どもたちが5〜6年生ぐらいに なった頃から何となく、寝る前にみんなでお茶を一杯という感じで始まりました。基本的に、夕食は家族揃ってとる時が多かったとは思いますが、主人の飲み会等も結構ありました。コタツと紅茶
 そこで夜寝る前に、家族揃ってお茶をいただくことにしたのです。きっかけになったのは、私が大好きだった「紅茶」です。或る時は、お酒を飲んで帰ってきた主人に合わせた薄め の紅茶を出し、そして或る時は、砂糖やミルクをたっぷりと入れて子ども達好みの味にしてみたりもしました。そんなちょっとした工夫をしながら、私は家族みんなを同じ時間に各々の部屋から誘い出す様、 心がけたのです。その結果、「夜11時のお茶会」はやがて習慣となり、一日を締めくくる日課にもなりました。でも、この何でもない「お茶会」が<家族>の絆を深める「大切なひととき」となりました。
 最近、家族がバラバラで食事をとっている家庭も多いと聞いています。どうしても食事時間が一緒にできないのであれば、子どもの勉強が一段落する「夜の10〜11時頃」に、こんな「お茶会」をしてみてはいかがでしょう?
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コタツが日本の家族を救う!
 それともう一つ。西川家の「お茶会」は、いつもコタツを囲んで行われました。私は、このコタツこそ、家族団欒の必須アイテムだと思います。皆さんにも是非お薦めしたい。 あのぬくぬくとした暖かさに大人も子どもも引き寄せられ、なんとなく安心できる場が生まれるのです。ソファーに座って家族がお互いに向き合っても、決してコタツに集まった 時の様な雰囲気は生まれないと私は思います。コタツであれば、横になって聞くとはなしにみんなの話を聞くこともできますし、自分が聞きたくない話であれば下にもぐりこんで 聞かないふりをしていても良いのです。なんとなく家族が肩肘張らずに一緒に過ごす・・・こんな当たり前のことが今、「日本の家族」からなくなっているのではないでしょうか?
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夫と息子が肩を並べてプロ野球ニュース!
 我が家でも親子関係が難しい時期がありました。反抗期を迎えると息子と父親との関係が険悪なムードになり、さらに進学の問題ですれ違っていた頃です。この時ちょうど、夜 11時という時間が幸いしました。二人の溝を埋めたのは、夫と息子の共通の趣味だった「プロ野球」でした。息子は熊本に生まれ育ちながらも星野仙一さんが好きで中日ファン。 夫は昔気質の西鉄ファン(隠れ巨人ファン?)だったのですが、当時夜11時になると、TVで丁度「プロ野球ニュース」が放送されていました。これが我が家の「お茶会」の時 間とうまくマッチしたのです。普段はあまり会話もしなかった夫と息子が、仲良く肩を並べてコタツに入り、野球の結果を見るのを楽しみにしていました。私の淹れた紅茶を飲み ながら、プレーの評価をしたり、解説をしたりといった感じで、自然に会話が弾んでいました。いわば、父と息子の唯一の和やかな会話でしたね。父と息子でプロ野球ニュース
 現在は、娘や息子が独立したことで、夜11時の「お茶会」は中断しています。しかし、十数年も続いた我が家の「お茶会」は、少なくとも子ども 達の成長にとって、又、夫や私にとっても、大切な「ひととき」でした。でも一体、何を話していたのでしょう?近所の人の噂話や学校の先生の話、TVで流されるニュースの話等、様々でした。 特に、決まったテーマがあった訳ではありません。いわゆる他愛もない話ばかりでした。しかし・・・、今から思えば、この他愛もない<空気>が大切だ ったのではないかと思います。皆さんの御家庭では如何でしょうか?お宅でも<コタツ>を囲んで、お茶会をしてみませんか?
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