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未来育て:第4部・格差と少子化/2 耳鼻科に通い半年で10万円…(2/3ページ)

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 地域格差が生じるのは、助成制度が自治体ごとの独自の判断による施策だからだ。

 全国保険医団体連合会(保団連)によると、制度は61年に岩手県旧沢内村で0歳児を対象に始まったのがさきがけとなり、これまでに▽入院のみから入院・通院に対象を拡大▽都道府県が市町村への財政支援を開始▽対象年齢を拡大--など前進を続けながら全自治体に広がった。特に00年以降は、主流だった「通院は2歳まで」から「就学前もしくはそれ以上」への流れが加速し、08年4月段階で全市町村の8割以上に達した。

 この流れに乗り遅れている一例が四條畷市であり、大阪府なのだ。

 大阪府の通院の助成基準は全国最低レベルの2歳まで。都道府県の基準が低くても市町村が手厚く積み上げるケースはあるが、大阪府はそれも自治体の財政力などによりばらばらだ。四條畷市のように府の基準通り2歳までもあれば、小学1年まで助成する茨木市のような自治体もある。

 四條畷市子ども福祉課の森田一・課長代理は「1歳引き上げで年間約1700万円、就学前にすると約7000万円の予算が必要になる。主要な産業がなく他の市町村と比べても厳しい財政状況なので今は踏み切る力がない」と話す。橋下徹知事の就任(昨年2月)以来、大胆な財政再建に取り組んでいる大阪府に至っては、今年11月から一部自己負担額を現行の1診療500円から800円に引き上げる逆行の方針を示している。

毎日新聞 2009年2月14日 東京朝刊

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