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臨床研修制度見直し 医師不足に一定の改善効果も (1/2ページ)
このニュースのトピックス:病気・医療
厚生労働、文部科学両省の検討会が18日、医師不足の一因と指摘されている「臨床研修制度」の見直しの提言をまとめた。研修医の受け入れ上限枠の設置や、早くから専門科目を積ませることで、戦力となる医師の現場投入を早めることを柱とした。慢性的な医師不足に歯止めをかけることができるか注目される中で、関係者らの反応はさまざまだ。
東京慈恵会医科大の栗原敏学長は「研修医とは本来、勉強する立場の人のこと。戦力として期待するのは本来の研修目的から外れている」と指摘する。また、「(上限枠の影響で)優秀な指導医がいない所に派遣された研修医が、本当に有意義な研修を積めるかという問題も出てくる。研修施設の基準をきちんと整備する必要もある」とも話す。
医学生からは、早くも「人によって研修格差と不平等が生まれないようにしてもらいたい」(群馬大医学部4年)といった注文も聞かれる。
一方で、厚労省の担当者や検討会の一部の委員らは「研修医はそれぞれの研修先でも貴重な戦力になると思う」と期待する。
厚労省では、民間病院に流れている研修医を、大学病院に結びつけることで、大学病院の医師不足が解消することにも期待を寄せる。現在は、医師不足に陥った地方の大学病院が、地域の関連病院からOB・OG医師を引き揚げてしまい、それが地方病院の存続を困難にするという悪循環ができているからだ。省内には「中堅クラスの医師が、(現在は崩壊している)地域医療を立て直す形が生まれる可能性もある」という声もある。