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[中川財務相]「醜態」招いた政権の衰弱=小菅洋人

 G7出席の際に記者会見で見せた中川昭一前財務・金融担当相の振る舞いは、日本政治史上、前代未聞の事件だった。

 「100年に1度」という経済危機を乗り切るために、政権の軸となる閣僚である。テレビや動画サイトで世界中に繰り返し流される醜態は、日本の信用という点で明らかに国益を損った。

 今回の不祥事で中川氏の資質が問われるのは当然だが、それ以上に、この事態を未然に防げず、迅速な事後処理ができなかった政権の衰弱ぶりこそ指弾されるべきである。

 昨年9月の麻生太郎首相の組閣・党役員人事は、総裁選の論功行賞や「お友達」を優先的に起用する、危機感の薄いものだった。

 早期解散を念頭にしたため、選挙になってしまえば閣僚の能力が問われずに、ぼろは出ないだろうと踏んだフシもあった。

 中川氏に対して首相は、あえて財金分離の方針を見直し、金融担当相も兼務させるほどの信頼ぶりをみせた。同氏の酒癖の問題は政界では有名だったが、これほどの事態に発展することはなかった。

 皮肉にも、世界にメッセージを発するG7という最も大切な場面で、選挙先送りの大きなツケが回ってきたとも言えよう。

 会見当日、中川氏の変調は周囲には分かったはずだ。会見に臨ませた財務官僚は、このままでは世界に恥をさらしてしまうとの想像力が働かなかったのか。扱いにくい大臣への遠慮は分かるが、官僚が末期状況の麻生政権へのサポタージュを始めたのではないかと、疑いたくなる。

 さらに深刻なのは事後処理のまずさだ。首相は16日に中川氏が官邸に釈明に来た時点で、「辞めろ」と言い渡すべきだった。

 続投させることで国会審議が停滞し、予算の成立も遅れる。日々、首相の優柔不断が問われ、中川氏もさらしものになる。この状況判断がなぜできなかったのだろうか。

 さらに中川氏は、辞任は予算の衆院通過後だという条件を付けた。「死に体」となった閣僚のわがままを野党が許すわけがなく、当然のことながら国会は止まる。結局は問責決議の圧力で即刻辞任に追い込まれたが、恥の上塗りである。

 判断能力を失った中川氏をカバーする力は、官邸にも自民党にもないと言えよう。

 この数日に起きたことは、政権担当能力そのものの欠如を物語り、内閣支持率はさらに下がる可能性がある。

 国民の信頼を失った麻生政権では、国家的危機に対応するのは難しい。(政治部長)


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