NTTは17日、太陽電池から従来の3倍という高い効率で電力を生み出す技術開発に世界で初めて成功したことを明らかにした。これにより、太陽電池パネル1枚で車のバッテリーなどの充電が可能になるという。NTTでは屋外用の無線通信機器などに搭載して地方自治体に売り込むほか、来年度からはベトナムなどアジアで実証実験も始めて技術輸出にも乗り出す方針だ。
[グラフィック] こんなに稼動している日本の地熱発電所
通常の太陽電池はパネル1枚で約0・4ボルトの電圧で発電し、この電圧を「昇圧回路」と呼ばれる回路で高めて電子機器を稼働させる。これまでは5ボルト程度に引き上げるのが限界で、高電圧が必要な機器の利用には多くのパネルを備えた発電設備が必要だった。
今回、NTT環境エネルギー研究所(神奈川県厚木市)が開発した技術を利用すれば、0・4ボルトの電圧を15ボルトにまで引き上げることが可能という。すでに実証実験を進めており、来年度からは河川の水位や天候などの情報を無線で送信するシステムなどに搭載する計画だ。
また、来年度からはベトナム、バングラデシュ、カンボジアでこの技術を活用した携帯電話充電スタンドのほか、屋外照明の実証実験なども実施し、発電設備が不十分なアジア各国に対する技術提供を目指す。
同社では地球温暖化問題が深刻化する中で、自然エネルギー利用の促進という技術をアピールし、自治体などに対しシステムの導入を進める考えだ。
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