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民主党「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案
【民主党ホームページ】の説明
既に民主党案として決定し、提出の準備を進めていた「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」を4月11日、本岡昭次参議院議員を筆頭発議者として参議院へ提出した。
本法律案は「今次の対戦及びそれに至る一連の事変に係わる時期において、旧陸海軍の関与の下に女性に対して組織的かつ継続的な性的な行為の強制が行われ、これにより、それらの女性の尊厳と名誉が著しく害された事実」(1993年8月当時の河野洋平官房長官談話)を踏まえ、「そのような事実について、謝罪の意を表し及びそれらの女性の名誉等の回復に資するための措置を我が国の責任において講ずること」を定めたもの。
国の責任を法的に明確にする本法案は、被害当事者の方々及び支援者、NGOの皆さまからも賛同を受けているところでもあり、まずは、国会での活発な議論を展開するため、早期の審議入りを求めていく。本法案は「女性のためのアジア平和国民基金」に寄せられた国民の善意を真に生かすことにもなると考える。
[発議者]
本岡昭次・江田五月・輿石東・竹村泰子・千葉景子・円より子 各参議院議員
戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案趣旨説明(抜粋) |
注・2000.再提出(のち廃案)の際はこれは大幅に修正された(つぎの項)
(略)
今次の大戦後すでに半世紀を超え、二十一世紀も目前となりました。しかしながら、我が国が過去、侵略行為や植民地支配により多大の苦しみを与えたアジア近隣諸国において、これらの地域の人々が我が国に抱いている不信感や不安感は依然として根強いものがあります。その原因の一つに「慰安婦」問題があります。いわゆる「慰安婦」は、今次の大戦において、日本の軍や官憲などの甘言、強圧等により本人の意思に反して集められ、日本軍の慰安所等で将兵に性奴隷的苦役を強要され、女性の名誉と尊厳が深く傷つけられた未成年を含むアジアの女性たちのことであります。
(略)
ところが、政府は、「慰安婦」問題については国民参加の道を探求するとし、千九百九十五年七月、民間団体である「女性のためのアジア平和国民基金」を設立し、国民の募金による見舞金の支給で国の法的責任を回避しようとしてきました。しかし、この見舞金は各国で多数の被害者から受け取りを拒否され、拠金者にも納得のいく説明ができない事態が続いています。
現在日本国内で元「慰安婦」を原告とする裁判が八件行われております(韓国二件、在日韓国人、フィリピン、オランダ、中国二件、台湾。内四件が地裁で判決)。最初の判決が千九百九十八年四月に山口地裁下関支部で出され、「慰安婦」制度は当時の国際条約に違反する疑いが濃く「二十世紀半ばの文明水準に照らしても極めて反人道的かつ醜悪な行為」であり、日本国憲法の根本原理を浸す「根源的人権問題」であると認定しています。判決は「特別の賠償立法」を早期にすべきであった国と国会の立法不作為を指摘し、早急な立法を求める厳しい内容でした。その後の判決も、個人請求権は認めていませんが、被害事実を認定する傾向にあります。被害事実を国も裁判所も認めておきながら、加害国政府が何もしないというわけにはいきません。
また、この問題を早急に解決せよという声は各国でも高まってきております。韓国政府は、千九百九十八年四月に「女性のためのアジア平和国民基金」の「償い金」を拒否する元「慰安婦」被害者に対して一人当たり約三百万円の支援金を支給すると同時に外交通商省を通して「日本は第二次大戦中に日本軍によって行われた反人道的な行為に対し、心から反省し、その上で謝罪すべきである」との声明(*注)を発表しています。また同年十月に来日された金大中大統領は、”「国民基金」のお金は、ことの本質のすり替え“と指摘し、”「慰安婦」問題は日本政府の責任“であり、”世界が納得できる形で解決されるべきだ“と述べておられます。
(*実際は来日前の「世界」誌の報道。大統領は、「基金」についても、また記念館なのか慰霊碑なのか、被害者たちが選ぶことだ。いずれにしても被害者や団体とよく話しあってやってほしい、と語ってもいる。)
(略)
本法律案は、今日、「女性のためのアジア平和国民基金」の事業が行き詰まりを見せる中で、問題解決のためには国の責任において措置を講ずることが不可欠であるとの認識の下に、「慰安婦」問題の解決に対する我が国の姿勢を明らかにするとともに、その解決のための基本的な枠組み及び道筋について規定するものであります。なお、具体的な措置につきましては、関係国等との協議を経て、決定し、実施することとなっております。
4.日本が過去の歴史を正しく認識し、謙虚な姿勢で反省してこそ、韓日両国が真の親善友好関係を発展させることができるという点を、われわれは再度強調するものである。
*4月21日、朴智元(パク・チウォン)青瓦台スポークスマンは「民間団体が日本政府に賠償を要求し続けることに対して、政府は介入しないつもり」だと述べた。「韓国政府として日本に個人賠償を求めるつもりはない」との立場は、その後も変えず、公言している。
提案の際、修正された趣旨説明(本岡昭次議員発言)
国会議事録【150回-参-総務委員会-05号 2000/11/30】
平成十二年十一月三十日(木曜日)午前十時六分開会
出席者は左のとおり。
委員長 岡崎トミ子 理 事 大野つや子君 仲道 俊哉君 長峯 基君
森田 次夫君 千葉 景子君
委 員 石井 道子君 上野 公成君 海老原義彦君 中原 爽君
西田 吉宏君 石田 美栄君 小山 峰男君 輿石 東君
高嶋 良充君 風間 昶君 木庭健太郎君 阿部 幸代君
吉川 春子君 高橋 令則君
委員以外の議員
発議者 本岡 昭次君 発議者 江田 五月君 発議者 竹村 泰子君
事務局側
常任委員会専門員 石田 祐幸君
─────────────
本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案(本岡昭次君外五名発議)
○青少年社会環境対策基本法(仮称)の早期制定に関する請願(第一号外一件)
…
(省略)
─────────────
○委員長(岡崎トミ子君) 戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案を議題といたします。
発議者から趣旨説明を聴取いたします。発議者本岡昭次さん。
○本岡昭次君 戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案趣旨説明を今から朗読いたします。
ただいま議題となりました戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
今次の大戦後既に半世紀を超え、二十一世紀も目前となりました。しかしながら、我が国が過去、侵略行為や植民地支配により多大の苦しみを与えたアジア近隣諸国において、これらの地域の人々が我が国に抱いている不信感や不安感は依然として根強いものがあります。その原因の一つに慰安婦問題があります。いわゆる慰安婦は、今次の大戦において、日本の軍や官憲などの甘言、強圧等により本人の意思に反して集められ、日本軍の慰安所等で将兵に性奴隷的苦役を強要され、女性の名誉と尊厳が深く傷つけられた未成年を含むアジア等の女性たちのことであります。
戦後、慰安婦が社会的な問題として意識されるようになったのは、一九九〇年六月の参議院予算委員会において、その実態の調査を政府に迫ったことに始まります。当初、政府は、民間の業者によるものであり、国は関与していないので実態を調査することは不可能との立場でしたが、これは韓国などの被害者の強い反発を招きました。その後、政府は調査を行い、一九九三年八月、初めて慰安婦問題への軍の関与を認め、おわびと反省の気持ちをあらわしました。しかし、被害者に対する国家補償については、サンフランシスコ条約や二国間条約で解決済みであるとして拒否しました。
また、国際連合においても慰安婦問題は、一九九二年二月の人権委員会で初めて取り上げられて以来、世界人権会議、世界女性会議等で大きな問題として議論されてきました。特に、人権委員会が女性に対する暴力に関する特別報告者として任命したクマラスワミ女史は、関係諸国を調査し、一九九六年一月、人権委員会に報告書を提出しましたが、その中で慰安婦は軍事的性奴隷であったとし、被害者に対する国家補償や関係資料の公開などを日本政府に勧告しています。
一九九八年八月、差別防止少数者保護小委員会の戦時奴隷制に関する特別報告者のゲイ・マクドゥーガル女史は、戦時性奴隷等に関する報告書で慰安婦問題をさらに厳しく批判し、その根拠とする法的問題の研究を深め、日本政府に対して国家補償を求めました。昨年八月、国連人権小委員会は、武力紛争下の性暴力に関し、個人請求権と国家の責任は平和条約や二国間協定で消滅しないとの決議を採択しています。また、本年八月の小委員会で、マクドゥーガル特別報告者が最終報告し、再び慰安婦問題への日本政府の取り組みを批判し、被害者の早期救済を促しました。同委員会は、この最終報告の歓迎決議を採択しました。
さらに、国際労働機関の条約勧告適用専門家委員会も、慰安婦は強制労働を禁止した国際労働機関二十九号条約に違反しており、日本政府が国家補償を行うよう希望する旨を繰り返し表明しています。
ところが、政府は、この問題についての国の法的責任を認めず、かわりに国民参加の道を探求するとし、一九九五年七月、民間団体である女性のためのアジア平和国民基金を設立し、国民の募金による見舞金の支給で事態を収拾しようとしてきました。しかし、日本政府の責任が明確でないと被害者から受け取りを拒否され、被害国政府からも批判を受けるなど、混乱を重ねてきました。
現在、国内で元慰安婦を原告とする裁判が八件行われております。韓国二件、在日韓国人、フィリピン、オランダ、中国二件、台湾。内四件が地裁で判決。最初の判決が一九九八年四月に山口地裁下関支部で出され、慰安婦制度は当時の国際条約に違反する疑いが濃く、二十世紀半ばの文明水準に照らしても極めて反人道的かつ醜悪な行為であり、日本国憲法の根本原理を侵す根源的人権問題であると認定しています。判決は、特別の賠償立法を早期にすべきであった国と国会の立法不作為を指摘し、早急な立法を求める厳しい内容でした。その後の判決も、個人請求権は認めていませんが、被害事実を認定する傾向にあります。被害事実を国も裁判所も認めておきながら、加害国政府が何もしないというわけにはいきません。本年九月には、米国のワシントン地裁に韓国、中国、台湾、フィリピンの被害者十五人が日本政府を相手取って訴訟を起こしています。
また、この問題を早急に解決せよという声は各国でも高まってきております。韓国政府は、一九九八年四月に女性のためのアジア平和国民基金の償い金を拒否する元慰安婦被害者に対して一人当たり約三百万円の支援金を支給すると同時に、外交通商省を通して日本は第二次大戦中に日本軍によって行われた反人道的な行為に対し心から反省し、その上で謝罪すべきであるとの声明を発表しています。
台湾の当局も、一九九七年十二月に台湾の元慰安婦被害者に立てかえ支給の形で一人当たり約二百万円を先行支給し、日本政府に謝罪と国家補償を求める立場を繰り返し表明しています。
昨年三月、フィリピン議会下院の市民的・政治的権利及び人権に関する委員会で、第二次大戦中の性的奴隷または慰安婦の女性被害者の正義の要求を満たすための戦後補償法案の制定を求める国際的な声を支持する決議が採択されています。八月には米国カリフォルニア州議会上下院で、慰安婦を含む日本軍による戦争犯罪の被害者に対し、明確な謝罪と賠償を行うことを求めた決議が採択されています。本年一月十二日には、香港の議会に当たる香港立法会において全会一致で日本政府に慰安婦を含む被害者への公式謝罪と賠償を求める決議が採択されています。五月には、台湾の立法委員百五十八名による立法による慰安婦問題の早期解決を求める署名も参議院議長に提出されています。
慰安婦問題では、一九九〇年以来多くの議員が本会議や委員会で質問し、一九九六年六月には参議院に戦時性的強制被害者問題調査会設置法案が超党派の議員立法として提出されましたが、審議未了で廃案になっています。
日本が引き起こした戦争の被害者が多数生きて苦しんでおられ、被害者個人との補償問題が完全かつ最終的に決着していないことは明らかであります。
日本国憲法前文は、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。」と、我が国の進路を示しています。この憲法の理念を踏まえ、アジアに生きる日本国民のために、慰安婦問題を早急に解決する必要があるとの考えにより、このたび本法律案を提出した次第であります。
本法律案は、今日、女性のためのアジア平和国民基金の事業をもって責任を果たしているとするのではなく、問題解決のためには国の責任において措置を講ずることが不可欠であるとの認識のもとに、慰安婦問題の解決に対する我が国の姿勢を明らかにするとともに、その解決のための基本的な枠組み及び道筋について規定するものであります。なお、具体的な措置につきましては、関係国との協議を経て決定し、実施することとなっております。
次に、本法律案の内容の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、この法律は、今次の大戦及びそれに至る一連の事変等に係る時期において、旧陸海軍の関与のもとに、女性に対して組織的かつ継続的な性的な行為の強制が行われ、これによりそれらの女性の尊厳と名誉が著しく害された事実を踏まえ、そのような事実について謝罪の意を表し及びそれらの女性の名誉等の回復に資するための措置を我が国の責任において講ずることが緊要な課題となっていることにかんがみ、これに対処するために必要な基本的事項を定めることにより、戦時性的強制被害者に係る問題の解決の促進を図り、もって関係諸国民と我が国民との信頼関係の醸成及び我が国の国際社会における名誉ある地位の保持に資することを目的としております。
なお、慰安婦という言葉は、被害者が受けた被害の実態を反映していないので、本法律案におきましては、これにかわるものとして戦時性的強制被害者という言葉を用いることとしております。
第二に、政府は、できるだけ速やかに、かつ確実に、戦時における性的強制により戦時性的強制被害者の尊厳と名誉が害された事実について謝罪の意を表し及びその名誉等の回復に資するために、金銭の支給を含め必要な措置を講ずるものとすることとしております。
第三に、政府は、戦時性的強制被害者問題の解決の促進を図るための施策に関する基本方針を定めなければならないこととしております。また、政府は、基本方針を定め、または変更したときは、これを国会に報告するとともに、公表しなければならないこととしております。
第四に、政府は、第二の措置を講ずるに当たっては、条約等との関係に留意しつつ、関係国の政府等と協議等を行い、その理解と協力のもとにこれを行うよう配慮するものとするとともに、国民の理解を得るよう努めるものとすることとしております。また、政府は、第二の措置を実施するに当たっては、戦時性的強制被害者の意向に留意するとともに、その人権に十分に配慮しなければならないこととしております。
第五に、政府は、戦時性的強制被害者問題の解決の促進を図るため、必要な財政上または法制上の措置その他の措置を講ずるものとすることとしております。
第六に、政府は、毎年、国会に、戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関して講じた施策及び第三の基本方針に定める実態調査により判明した事実について報告するとともに、その概要を公表しなければならないこととしております。
第七に、総理府に、戦時性的強制被害者問題の解決の促進を図るための施策に関し審議、調整、実施の推進等の事務をつかさどる特別の機関として、戦時性的強制被害者問題解決促進会議を置くこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、施行の日から起算して十年を経過した日にその効力を失うこととしております。
以上が本法律案の提案理由及び内容の概要でございます。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
ありがとうございました。
○戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律(案) |
(目的)
第一条 この法律は、今次の大戦及びそれに至る一連の事変等に係る時期において、旧陸海軍の関与の下に、女性に対して組織的かつ継続的な性的な行為の強制が行われ、これによりそれらの女性の尊厳と名誉が著しく害された事実を踏まえ、そのような事実について謝罪の意を表し及びそれらの女性の名誉等の回復に資するための措置を我が国の責任において講ずることが緊要な課題となっていることにかんがみ、これに対処するために必要な基本的事項を定めることにより、戦時性的強制被害者に係る問題の解決の促進を図り、もって関係諸国民と我が国民との信頼関係の醸成及び我が国の国際社会における名誉ある地位の保持に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「戦時における性的強制」とは、今次の大戦及びそれに至る一連の事変等に係る時期において、旧陸海軍の直接又は間接の関与の下に、その意に反して蔓められた女性に対して行われた組織的かつ継続的な性的な行為の強制をいう。
2 この法律において「戦時性的強制被害者」とは、戦時における性的強制により被害を受けた女性であって、旧戸籍法(大正三年法律第二十六号)の規定による本籍を有していた者以外の者であったものをいう。*注1
(名誉回復等のための措置)
第三条 政府は、できるだけ速やかに、かつ、確実に、戦時における性的強制により戦時性的強制被害者の尊厳と名誉が害された事実について謝罪の意を表し及びその名誉等の回復に資するために必要な措置を講ずるものとする。
2 前項の措置には、戦時性的強制被害者に対する金銭の支給を含むものとする。
(基本方針)
第四条 政府は、戦時性的強制被害者に係る問題の解決の促進を図るための施策に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 前条に規定する措置の内容及びその実施の方法等に関する事項
二 前条に規定する措置を講ずるに当たって必要となる関係国の政府等との協議に関する事項
三 いまだ判明していない戦時における性的強制及びそれによる被害の実態の調査に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、戦時性的強制被害者に係る問題の解決の促進に関し必要な事項
3 政府は、基本方針を定め、又は変更したときは、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
(関係国の政府等との関係に関する配慮)
第五条 政府は、第三条に規定する措置を講ずるに当たっては、我が国が締結した条約その他の国際約束との関係に留意しつつ、関係国の政府等と協議等を行い、その理解と協力の下に、これを行うよう特に配慮するものとする。
(戦時性的強制被害者の人権等への配慮)
第六条 政府は、第三条に規定する措置を実施するに当たっては、戦時性的強制被害者の意向に留意するとともに、その人権に十分に配慮しなければならない。
2 政府は、第四条第二項第三号の調査を実施するに当たっては、戦時性的強制被害者その他の関係人の名誉を害しないよう配慮しなければならない。
(国民の理解)
第七条 政府は、第三条に規定する措置を講ずるに当たっては、国民の理解を得るよう努めるものとする。
(財政上の措置等)
第八条 政府は、戦時性的強制被害者に係る問題の解決の促進を図るため必要な財政上又は法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。
(国会に対する報告等)
第九条 政府は、毎年、国会に、戦時性的強制被害者に係る問題の解決の促進に関して講じた施策及び第四条第二項第三号の調査により判明した事実について報告するとともに、その概要を公表しなければならない。
(戦時性的強制被害者問題解決促進会議)
第十条 総理府に、特別の機関として、戦時性的強制被害者問題解決促進会議(以下「会議」という。)を置く。
2 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 基本方針の案を作成すること。
二 戦時性的強制被害者に係る問題の解決の促進を図るための施策について必要な関係行政機関相互の調整をすること。
三 前二号に掲げるもののほか、戦時性的強制被害者に係る問題の解決の促進に関する重要事項について審議し、及びそれに関する施策の実施を推進すること。
(会議の組織等)
第十一条 会議は、会長及び委員をもって組織する。
2 会長は、内閣総理大臣をもって充てる。
3 委員は、関係行政機関の長のうちから、内閣総理大臣が任命する。*注2
4 会議に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる。
5 専門委員は、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
6 前各項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
附則 (略)