福岡都市圏で1月末から格安運賃で営業を開始した福岡エムケイ(福岡市)は17日、電波法に基づく同社のタクシー無線免許申請を九州総合通信局が不当に受け付けなかったとして、免許申請の不受理処分取り消しを求める訴えを福岡地裁に起こした。
同社によると免許取得のため、免許取得業者向けの無線基地局を管理し、免許申請を慣習的に代行する社団法人「福岡移動無線センター」(同)に昨年9月から入会申請しているが、入会が許可されないため、1月6日に同局に直接申請。だが今も受理されていない。
同社は簡易的な無線設備を購入して営業開始しているが「音声でしかやりとりできず、免許取得業者なら可能な衛星利用測位システムによる各車の位置把握や、文字情報の送受信ができず不便」という。さらに免許が取得できれば、設備を購入し直す必要もあり、今使う設備の費用655万円を同局かセンターに損害賠償請求する方針。
同局は「センターに加入しない限り、無線基地局の使用が見込めないため、申請は受理しない」と説明。センターは「九州運輸局が福岡エムケイの運賃を認可した1月22日以降、入会させる方向で動いている。意図的に入会を遅らせてはいない」と話す。
同社は「センター役員は、地元のタクシー協会メンバーと重なり、官民共同での営業妨害だ」と訴えている。
=2009/02/18付 西日本新聞朝刊=