〈バンガロール〉
政府系国防企業BEML Ltd/三菱商事/三菱電機/ 韓国の車輌メーカーRotemから成るコンソーシアムは、カルナタカ州Bangaloreの地下鉄経営会社Bangalore Metro Rail Corporation Ltd (BMRCL)に150両の車輌を納入する総額1,672.50クロー(約319億円)の契約を獲得した。
インディアン・エクスプレスとヒンドゥー・ビジネス・ラインが2月10日伝えたところによると、BEMLのVRS Natarajan会長兼MDはこのほど以上の消息を語った。それによると、これらの車輌はバンガロールの工場で製造され、2010年10月から2012年12月の間に引き渡される。契約交渉が合意に至った鍵は、マハラシュトラ州政府が州内で製造された車輌に対する付加価値税(VAT)免除を認めたこと。BEMLは、BMRCLの路線拡張計画に伴い別に63両の車輌を追加納入する600クロー(約114億円)の契約も獲得できそうだ。
Alstom等との競争を征して獲得した今回の契約は、向こう一両年、景気後退の中でもBEML売上げを押し上げるものと見られるが、営業マージンの改善には貢献しそうにない。伝えられるところでは、BEMLは当初提示した価格を大幅にディスカウントして、契約を獲得したもようで、これ以前にDelhi Metro Rail Corporation(DMRC)から1,365クロー(約260億円)の車輌納入契約を獲得した際を上回るマージンは望めそうにない。
ちなみに1台当たりの車輌のコストは6クロー(約1億1,430万円)。BEMLは独自開発した低コスト車輌を二級/三級都市(tier-II and tier-III cities)の大量高速輸送(MRT:mass rapid transport)プロジェクトに売り込むことを目指している。BEMLは某中国企業や他の国際サプライヤーとこの方面の研究を進めており、いくつかの注文を獲得できそうだ。
一方、BEMLは中央政府と共同で地下鉄プロジェクト用設備のための『全国研究開発センター(National R&D Centre of Excellence)』を設立することを提案している。同計画に政府は125クロー(約23億8,000万円)を、BEMLは9クロー(約1億7,140万円)を、それぞれ拠出する。
DMRCとBMRCLから獲得した契約は合計3,800クロー(約723億8,000万円)で、この他にIndian Railway(IR)から662クロー(約126億円)の契約を獲得している。IRには年内に二等車用車輌430両を、来年は別に230両を、それぞれ納入する。さらに450~500両を納入する目星もつけている。BEMLはフィリピン等の潜在的な海外顧客からも地下鉄車輌納入の引き合いを得ていると言う。