自殺防止のために活動している社会福祉法人「京都いのちの電話」(樋口和彦理事長)は15日、過労死に詳しい大阪市の生越照幸弁護士を招き、下京区のキャンパスプラザ京都で講演会を開いた。電話相談員を含む約100人が参加し「正社員と派遣社員といった心理的、経済的な差が自殺につながることが多くある」などと語る生越弁護士の話に聴き入った。
生越弁護士は自殺を思いとどまったある男性の話を紹介。「家族のために正社員に残らないと」と悩んでうつ病になり、「会社に知られたら左遷される」と思い詰めていたという。一方、参加した相談員は「正社員らの現状を知っていれば、就職に悩む電話相手とできる話もあるかもしれない」と話していた。
同法人(075・864・1133)は4月18日まで相談員を募集している。【古屋敷尚子】
毎日新聞 2009年2月16日 地方版