現役最年長ジャンパー、岡部孝信選手(38)=雪印=が、18日にチェコで開幕する世界選手権に出場する。長野五輪(98年)団体で金メダル獲得後は低迷したが、今季は国内9戦7勝と絶好調で7度目の世界選手権への切符を手にした。岡部選手は「世界との差は少しずつ縮まっている」と張り切っている。【三沢邦彦】
「ちょっと力んでしまった。まだまだ若いということ」。先月31日に札幌・大倉山で開かれたワールドカップ(W杯)。約1年ぶりにW杯遠征組に復帰した岡部選手は12位に終わり、照れたような笑顔をみせた。世界のジャンパーは10代後半から30代前半が主流。優勝したのはオーストリアの19歳だった。
上川管内下川町出身。小学2年の時からジャンプを始めた。駒大岩見沢高校卒業後、旧北海道拓殖銀行スキー部に入部。96年に雪印に移った。長野五輪後、身長によって板の長さが変わるルール変更に対応できず、世界との差が広がった。結果を出せず、昨夏には「若手に経験を積ませる」という全日本スキー連盟の方針でW杯メンバーから外れた。
一方、転戦しなくて済むため国内で充分に調整。五輪メンバーだった斎藤浩哉監督(38)や原田雅彦コーチ(40)のサポートを受けて、絶好の形でシーズンに臨んでいる。「監督やコーチからいつでも見てもらえることが大きい」と話す。
スポーツ界では、プロ野球・阪神をけん引する金本知憲選手(40)ら40歳前後の「アラフォー世代」の活躍が目立つ。岡部選手は、現役復帰した女子テニスのクルム伊達公子選手(38)の活躍を引き合いに「自分も世界でどれだけやれるか試してみたい」と話している。
毎日新聞 2009年2月16日 地方版