友人の髪をつかんで引っ張るなどして死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた韓国籍の無職、金美延(ミヨン)被告(33)の判決公判が27日、大阪地裁であった。長井秀典裁判長は取り調べ状況を記録したDVD映像の解析から、「頭を揺さぶった」とする供述調書に誤訳があったと認定。その上で暴行と死亡との因果関係は認めながらも、「暴行の程度が軽く、偶然性が高い」として懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役6年)を言い渡した。金被告が被害者の頭を揺さぶったか否かが争点になり、金被告は「頭を揺さぶった」とする調書の内容を否定。長井裁判長は取り調べDVDの解析から「髪を引っ張り合って体が揺れたとの被告の供述が『頭を揺さぶった』と不正確に通訳された」と認定、「真意ではない調書が作成された恐れがある」とした。
判決によると、金被告は昨年4月22日午前7時20分ごろ、大阪市生野区新今里を走行中のタクシー内で、友人の女性=当時(31)=の髪を両手でつかむなどして暴行し、左椎骨動脈損傷による外傷性くも膜下出血で死亡させた。
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