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中1自殺:同級生にも「死にたい」/福岡市教委・体罰と因果関係否定

 福岡市西区で登校中に市立内浜中1年の男子生徒(13)が飛び降り自殺した問題で、市教委は29日、男子生徒が同級生にも「死にたいと思ったことがある」と話していたことを明らかにした。生徒は08年6月に体罰を受けた後、母親に「死のうとした」と自殺願望を告げており、半年以上も悩みを持ち続けていたとみられる。

 市教委によると、生徒の自殺後、スクールカウンセラーが同級生らに面接。その際、同級生が昨年10~11月ごろ、男子生徒に「死にたいと思ったことがあるか」と尋ねたところ「ある」と答えたが、「マンガを読みたいし、塾に行かなければならないのでしない」と話したという。

 市教委は、担任が昨年6月、同級生に対するいじめ行為があったとして男子生徒を追及した際に、げんこつでたたいたり、ひざを足でけるなどの体罰があったと認めた。しかし「毅然とした態度をとったことは良かった」との見解を示し、「(その後の様子に)変わった点はなく、(生徒と)良好な関係を築いていた」として体罰と自殺の直接の因果関係を否定した。

 自殺の3日前に男子生徒が忘れ物をし、担任からヘッドロックのように頭を右腕で抱えられ、げんこつでたたかれた行為については「体罰とはいえないが、できるだけ避けるべきだった」と述べた。

 内浜中でも29日、薄(すすき)公治校長(55)が会見し、体罰の実態調査を進めていることを明らかにした。担任を含む教員や生徒の友人を対象に報告書をまとめ、2月6日までに市教委と遺族に提出するという。また、担任が薄校長に対し「自分の指導もなんらかの関係があったのではないか」と話していることを明らかにした。

 教育社会学が専門の深谷昌志・東京成徳大子ども学部長(74)は「親からもぶたれなくなった最近の子どもなら、先生にたたかれて受ける精神的ショックはなおさら大きい」と語る。その上で、体罰といじめの共通点について「被害を受けた子どもが自分の弱い部分を親にも見せたがらず、悩みを抱えてしまうことだ」と指摘。「今回の自殺は内浜中だけの問題と思わない方がいい。彼の死をきっかけに、全国の先生が子どもの心の叫びに耳を傾けられるよう、見つめ直してほしい」と話している。

2009年1月30日

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