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日露首脳会談:4島返還放棄は歴史的汚点…北大名誉教授

 ◇木村汎・北大名誉教授の話

 日露首脳会談でロシア側が提案した「独創的なアプローチによる領土問題解決」に同意した日本は、「4島返還」という従来の立場を捨てたといえる。

 ロシア側の狙いは、2島でも4島でもない「2島(歯舞、色丹)プラスα」による解決であり、αの部分は共同開発などを想定している。残る2島(国後、択捉)が還ってこなければ、日本にとってプラスどころか「マイナス2島」になる。麻生氏は島の「面積分割」による解決に言及したことがあり、ロシア側から「スキがある人物」と思われたのではないか。4島以外の解決はないと、なぜ側近たちが首相を制しなかったのか。

 日本は第二次大戦後、サハリン(南樺太の主権)を犠牲にしている。そのサハリンに行って今回のような妥協をしたのは致命的な後退であり、日露交渉史の大きな汚点になる。【聞き手・杉尾直哉】

毎日新聞 2009年2月18日 22時20分

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