新型インフルエンザの感染拡大期を想定した訓練が17日、福知山市の府中丹西保健所と市立福知山市民病院で行われた。地域対策本部の設置や関係機関との連絡調整などを行う机上訓練と、市民病院を会場にしての実地訓練からなり、消防署など関係機関の計約50人が参加して、「その時」に備えた。
海外でヒトからヒトへの感染が確認され、WHOが新型インフルエンザ警報「フェーズ4」を宣言、海外帰国者から新型が発生し、国内でも拡大しつつある−との想定。保健所には「発熱相談センター」、市民病院には「発熱外来」が設けられた。
新型インフルエンザの拡大を防ぐには、発症者がほかの人と接触しないことが大事で、新型の可能性がある人は直接病院へ出向かず、まず「発熱相談センター」へ電話をして相談することになっている。ここで受診を勧められた場合に発熱外来を受診。訓練では自家用車で向かった人と、救急車で搬送されたケースを行った。
自家用車で病院へ向かった人は、一般患者と接触しない場所に設けられた発熱外来を訪れ、本人確認の後、医師が診察し、簡易キットで検査を行い、入院が必要か、自宅待機でよいかなどのトリアージ(振り分け)をした。更に、家庭や職場などでだれと接したかを患者から保健所職員が聞き取る疫学調査や、市民病院スタッフらによる入院の受け入れについても、連携を取りながら行った。
府中丹広域振興局が主催して訓練を行うのは今年で3年目。今回初めて福知山医師会が参加し、感染症担当理事の足立医師は、「机上で想定していたのとは随分勝手が違いました。訓練に参加しておいてよかったです」と話す。
医師は患者とじかに接することから、防護服とゴム手袋を2枚ずつ重ねて着用し、マスクのほか透明の板で顔を覆うフェイスシールドも着用。患者を1人診察するたび、重ね着している防護服を1枚着替えることになっており、「防護服は初めてでもあり、着替えにとても手間取ってしまいました」という。
一緒に参加した高尾医師会長も、実地訓練に臨んで分かったことが多かったといい、「新型インフルエンザが発生した際にはパニックが一番心配。不安に思った人たちが直接医療機関へ行ったりせず、まず相談センターへ電話するよう啓発していくことが大事だ」と課題に挙げていた。
写真=医師会医師も参加して診察・検査の訓練をした
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